匿名発言を認めないことで、立場を明らかにしてもらう
路上で行われている選挙候補者の演説。連呼される名前が耳につくばかりで、政策の主張はいまいち伝わらないものだ。そこで「候補者の考えを知るために、候補者の皆さんを呼んで話を聞こうじゃないか」という発想から生まれたのが公開討論会。
「リンカーン・フォーラム」は、この「公開討論会」を通じて政治家を選ぶというルールを日本に根付かせる活動を行っているNGO団体だ。各地で公開討論会を開催する主催者同士のネットワークづくりにメーリングリスト(ML)を活用している。
管理人は、千葉県在住の内田豊さん。NGOの事務局長を務めると同時にISO9001コンサルタント、摩周湖湧(ゆう)水の研究者など、実に多彩な肩書きを持つ。
「日本で最高の政治啓もう活動をしているとの自負があります」
「私たちは日本で最高の政治啓もう活動をしているとの自負があります」と力強く語る内田さん。公開討論会の来場者に書いてもらうアンケートの満足度は、常に90%以上(!)というから驚きだ。昨年末には討論会の開催回数が500回を超え、今や投票率や選挙結果に少なからず影響を与えていると考える。
Yahoo!グループのなかではかなりの古株。1998年の参院選のとき、インターネットがまださほど普及していなかった当時でも、政治に関心のある人の多くは、メールアドレスを持っていることに気づいたのがきっかけという。
先日、カンパの上手な集め方のノウハウを紹介してみた。すると、これを実践したメンバーたちから大反響! 討論会の入場料は原則無料のため、費用はもっぱら来場者からのカンパで賄うが、これが少ないと主催団体の負担となる。赤字が続くと市民活動は長続きしないのだそう。「こういったメンバーの創意工夫によって生み出されるノウハウの蓄積は、MLでなければできなかった」と語る。
政治を扱うメーリングリストだからこそ「中立性」に気を配る
政治を扱う公的な立場だからこそ、運営ルールには気を使う。「リンカーン・フォーラム」の大原則である「政治的中立性」を、MLにも適用。特定の政治家や政治思想に傾倒した発言には注意を促すようにしている。
また、公開討論会の主催者を目指すということは、とても公的な活動をすること。このため、匿名での発言は認めていない。「どういった立場なのか(「○○市長選で公開討論会を企画している初心者です」など)を明確にして発言することで、顔こそ見えないが、同じ志を持つ仲間としての連帯感が生まれる」という。
こういった運営を行うなかで、「投稿される情報の質が高いと、誰もがそれに続くようになる」というナレッジマネジメント運営の原則を実感している。
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