| グループメニュー |
| |
メインページ
|
|
 |
掲示板
|
|
| |
ブックマーク
|
|
|   |
|   |
|   | グループメンバー専用 |   |
| |
ブリーフケース
|
|
| |
フォトアルバム
|
|
| |
データベース
|
|
| |
投票
|
|
| |
カレンダー
|
|
| |
グループをPR
|
|
|
|
 |
 |
投稿者: 妹尾 ゆふ子 <yufuko@m...> Date: 2001年3月21日(水) 午後2時05分
タイトル: 『ファンタジイの殿堂 伝説は永遠に 2』
|
|
題名『ファンタジイの殿堂 伝説は永遠に 2』"LEGENDS"
著者名:ロバート・シルヴァーバーグ:編(幹遙子・他:訳)Robert Silverberg
出版社/早川書房(ハヤカワ文庫FT)
発行日/2000.11.15
ISBN4-15-020281-8
----------
シルヴァーバーグ編、「人気大作シリーズの番外編を一堂に会す」という超豪華ア
ンソロジーのファンタジー版。全三巻。
「骨の負債」〈真実の剣〉
テリー・グッドカインド(佐田千織:訳)
"Debt of Bones" <The Sword of Truth> by Terry Goodkind
……人気シリーズ(今のところ邦訳なし)の番外編。
一読した限りでは、ジョーダンの〈時の車輪〉系が好きな読者なら問題なくハマれ
るのではないかと思われる。わたしはダメだ。読めなくはないが、読みたくもない。
ついでなので、ジョーダン系の壮大な「ファンタジー」にわたしが入れこめない理
由をなんとなく分析してみた。
設定は悪くない。みんな、それぞれに入れこんで作られていて、おもしろいと思う。
ただ、人物に入れこめないのだ。
わたしはこの系列の作品群を「超人願望充足系」と呼んでいる。勝手に。
すさまじい力を備えた人間になってみたい。なにもかもを超越してみたい。それは、
なかなかに魅力的な幻想であり、たくさんの人が入れこむのもうなずける。
だが、人以上の力をそなえた者は、人ならざる者になってしまうはずだと思うのだ。
それはもう、否応もなく。人間味を残しても、本質は人でなくなっていないと、それ
はわたしにとっては嘘っぽい話になってしまう。
「超人願望充足系」作品群は、超人が「力」だけ得て、その代償である人間性の喪失
という代価を支払っていない。支払っているように描かれていても、その描写がわた
しを納得させない。
ファンタジーの(わたしにとっての)神髄は、荘厳さであり、英雄的行為であり、
偉大さなのである。それらを体現しない英雄にはなんら魅力を感じない。
つねに非人間的である必要はないが、すくなくとも重大な局面では神々しさを感じ
させねばならないのだ。それがない作品は、「英雄願望充足系」に分類することにな
る。さようなら、グッドカインド。シリーズ邦訳は決まっているそうだし、たぶん売
れるだろうが、わたしには興味がない作品だ。
短編だけでわからせてくれた『伝説は永遠に』は、そういう意味でもすばらしい企
画だと思う。厭味ではなく。長いシリーズって、手をつけるかどうか決めるのが難し
いから、好きそうな傾向かどうかを味見できるのは、企画としてうまいと思う。作家
と読者双方にとって有意義だ。
「放浪の騎士 七つの王国の物語」〈氷と炎の歌〉
ジョージ・R・R・マーティン(岡部宏之:訳)
"The Hedge Knight" <A Song of Ice and Fire> by Geroge R. R. Martin
……短編集『サンド・キングス』、傑作吸血鬼小説『フィーヴァー・ドリーム』で
日本でも知名度がないではない作家、マーティンが壮大なファンタジーのシリーズを
展開中であるという噂は聞いたことがあった。むちゃくちゃおもしろいという評価だ
った。
で、この短編なのだが、これがわたし的にはオール・オッケー。
ふしぎなことはなにも起きない。だから、これだけを読んで「ファンタジー」とは
言いがたいだろう。本編を読んでいる人に聞いたところ、本編でも、ふしぎなことは
滅多に起きないそうだ。
だが、本書におさめられた三編のなかで、本編を読みたいと感じたのはこれ。
もともとマーティンの作品が好きだというのもあるのだが(『フィーヴァー・ドリ
ーム』はほんとうに傑作。わたしのなかで、『夜明けのヴァンパイア』、『フィーヴ
ァー・ドリーム』は吸血鬼小説の二大巨頭。しかもマーティンだからSFとしてもしっ
かりしている)、やっぱりうまいわ、この作家。
放浪の騎士に育てられた青年が、自分を育ててくれた騎士が死んでしまったため、
その騎士の馬と武具で槍試合に出場しようとする。だが、彼が騎士であると証しをた
ててくれる人がなかなかいない――。
地味だし、奇跡も起きないし、派手な魔法合戦もなにもないが、ここには英雄がい
る。
「パーンの走り屋」〈パーンの竜騎士〉
アン・マキャフリイ(幹遙子:訳)
"Runner of Pern" <Pern> by Anne McCaffrey
……パーンについては説明不要だろう。ファンタジーの道具立ての説明をSFでして
いるから、わたし的にはこのシリーズはバッチリSFなのだが、世間的にファンタジー
と言われるのはそれでいいと思う。
いかにもマキャフリイらしく、独特の生態をもつ特殊な生物をキーに使い、地に足
の着いた暮らしぶりの描写とロマンスで盛り上げた、手堅い短編。
マキャフリイだなあ、という一作。
|
|
|
|