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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月1日(金)
午後8時31分
タイトル: TUP速報150号 03年8月1日 米国を戦争へと追いやったスパイたち
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9.11直後、米政権上層部が秘密裏に国防総省内に作ったという「特殊作戦室」
(Office of Special Plans=OSP)の実態が米政府関係者の証言で明らか
になりました。CIAの生情報を独自に解釈し、既存の諜報機関や議会、国務
省さえも排除して米政権の政策を大きく左右するOSPは“影の政府”と言っ
てもいい存在。戦争の引き金になる情報を“影の政府”がでっち上げるような
国を、どこかの総理大臣のように、無批判に支援してもいいのでしょうか。
(今村 和宏/TUPメンバー)
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「米国を戦争へと追いやったスパイたち」
CIA情報を二次解釈し、サダム・フセイン政権転覆を正当化する目的でワシ
ントンに創設された「影の右翼情報組織」についてジュリアン・ボーガー特派
員が報告する。
ジュリアン・ボーガー特派員
ガーディアン紙(英国)
2003年7月17日
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ジョージ・テネットCIA長官が昨日ニジェール・ウラン疑惑について上院で
行った非公開の証言から、まったく機能しなくなった米国情報システムが戦争
への突入を助長したということがますます明らかになった。
これはブッシュ政権の二つ目の決定的情報解析ミス。ただ9.11を未然に防げな
かったのは主に組織上の脆弱さによるものだったが、今回はホワイトハウスが
情報ソースを政治的に利用するために歪曲したと非難されているので、その痛
手はずっと大きい。
ブッシュ政権の元官僚、防衛・諜報筋によると、ドナルド・ラムズフェルド国
防長官を中心とする政権上層部は国防総省内に「特殊作戦室」(Office of
Special Plans=OSP)を作り、チェイニー副大統領など政権内保守強硬派
の保護のもと、CIAが入手した生情報を独自に解釈しているという。公式
行政手続きを踏むことなく、議会のチェックも受けず、CIAや国防総省内の
公式情報部門さえも排除してホワイトハウスに直接強い影響を及ぼすOSPは
“影の政府”と言ってもいい存在。イラク侵攻正当化の過程ではCIAと国務
省を押し切る力を見せた。
テネット長官はフセイン政権がアフリカでウラン購入を企んでいたとする裏付
けのない大統領発言に関して自分の責任を公式に認めたが、同時にCIAが戦
争正当化への圧力を政権筋から受けていたことを明らかにした。具体的にどこ
からどの程度の圧力を受けていたかが、ブッシュ大統領再選に影を落としかね
ない。米兵死者が日に日に増えつづけ、戦争突入の真の理由が明らかになるに
つれて、2004年の勝利はもはや確約されなくなっている。
ホワイトハウスの新報道官、スコット・マクレラン氏は昨日こうした批判に対
し「政争のために歴史を書き換えるべきでない」として反撃したが、民主党上
層部は依然、政権の責任を追求する構え。
大統領がもっとも信頼する助言者、チェイニー副大統領は“影の政府”の有力
人物。副大統領はたびたび自らCIAに赴き、ルイス・リビー首席補佐官にも
代理訪問させて、サダムの脅威についてもっと「積極的な」解釈をするように
圧力をかけた。こうした副大統領からの異例の圧力は、CIA官僚に「適切な」
解釈を促した。
元共和党幹部のニュート・ギングリッジ氏もCIAを頻繁に訪れた。9.11以降、
国防総省の「助言者」、国防委員会メンバーとして再登場したギングリッジ氏
は、公式の肩書きをはるかに越える影響を政権に及ぼしている。イラク開戦前、
国防総省、特にOSPの使者として、CIA本部に出入りし、大きな圧力をか
けた模様。
9.11直後、ラムズフェルド長官とウォルフォウィッツ副長官はイラクを対テロ
戦争に巻き込もうとした。既存の諜報機関がイラクとアルカイダを結び付ける具
体的な情報を提供できなかったとき、OSPがなお「念入りに」情報をひも解く
任務を帯びて登場した。
元海兵隊将校でチェイニー氏の元補佐官のウィリアム・ルーティ氏は現国防次官
で元レーガン政権スタッフのダグラス・フェイス氏のもとで実務を総括している。
OSPは膨大な生情報を入手できた。その一部は、全世界の諜報員からもたらさ
れる報告に目を通し、信頼できない情報を振るい落とすことを任務とする「報告
官」から得たもの。チェイニー氏やギングリッジ氏などタカ派の圧力を受けて、
報告官はどんなに荒唐無稽なものでも削除しなくなったという。また、CIAや
国務省筋が信頼に値しないと判断していたイラク国民議会その他反体制派からの
無数の「情報」さえ、OSPは吸い上げた。
フルタイム・スタッフ10人未満では膨大な資料を処理しきれなかったOSPは、
弁護士や議会スタッフ、果ては右翼シンクタンクメンバーなど、多数の人材を臨
時コンサルタントとして雇い入れた。そのほとんどが情報分野の未経験者。しか
も一時100名を越えた臨時スタッフは正式登録なしに職務規定もなく雇われたの
で「仲良しグループで部屋を埋めただけ」とも揶揄された。
国務省情報部門の幹部職員グレゴリー・ティールマン氏は言う。「彼らは都合の
いい情報だけを取り上げた。すべてが異常だった。国防長官が巨大な諜報局を思
いのままにしていた」
OSPの活動内容はCIAや国防総省本体にとってもベールに包まれていた。
OSPは軍部情報部門とも他省庁の情報部門とも情報を共有しようとせず、通常
の情報解析の枠外で勝手に解釈した内容を、他部署専門家のチェックを経ずに直
接、国家安全保障委員会や大統領のもとに届けた。
OSPは、イスラエル情報機関モサドでは否認されるような極端なサダム脅威論
をブッシュ政権に提供するために、シャロン首相の執務室内に設けられた非公式
情報部門と緊密な関係を結んだ。外国人であるイスラエル人は通常の方法では国
防総省に出入りすることは許されなかったが、フェイス氏が招き入れれば、何ら
書類に記入する必要さえなかった。こうした情報交換のおかげで、フェイス氏そ
の他新保守主義者たちとイスラエルのリクード党の長期的関係が続いたのだ。
1996年、フェイス氏とリチャード・パール氏(現在は国防総省内の有力人物)
の両者は当時のリクード党リーダー、ネタニヤフ氏の補佐官をしていた。彼らは
「帝国の安全を守る戦略」と題する政策文書の中で、イスラエルが真に安全にな
るには、サダムが抹殺され、シリア、レバノン、サウジアラビアとイランのそれ
ぞれの政権が転覆するか不安定にならなければならないと書いた。
「イラクで大量破壊兵器が発見されないのはシリアに密輸されたからだ」という
噂が米国のマスコミで広がったが、それはイスラエル首相から出た話だった。こ
のことほど、イスラエルの影響力を示すものはない。
OSPはごった煮情報や噂やデマを集めて「完成品」をひねり出し、ホワイトハ
ウスの固定読者に提供した。主な顧客はチェイニー氏、スティーブン・ハドリー
氏だ。ハドリー氏は国家安全保障会議ではチェイニー氏の同志でライス大統領補
佐官の副官も務める。かれらはかれらで一部の内容をメディアに漏らし、一部は
CIAと国務省の分析官に追跡調査を迫るために使った。
テネット長官の議会証言で昨日巻き起こった大きな疑問は、この「影の情報操作」
は国家のチェックをくぐり抜けられるのかということと戦争突入を許した責任を
誰がとるのかということである。
再選を控えて、ブッシュ大統領は問題の深刻さを認める代わりに開き直ることも
できる。ただその場合、情報担当官たちの信頼を再び勝ち取るのは至難のわざと
なる。そして、ホワイトハウスの政策決定の基礎となるべき情報が確保されなけ
れば、世界唯一の超大国が盲目になって「真の脅威」と「亡霊」の区別もつかな
いまま、前のめりによたよた歩きをすることになるかもしれないのだ。
(抄訳:今村 和宏/TUPメンバー)
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原文:The spies who pushed for war
http://www.guardian.co.uk/Archive/Article/0,4273,4714031,00.html
Help URL : http://help.yahoo.co.jp/help/jp/groups/
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菅原 秀 Schu Sugawara
8月末までは米国が連絡先です。
phone (home) +1-202-338-7491 office +1-293-7396 extention 624
電子メール: TUP-Bulletin-owner@e...
TUP速報の申し込みは: http://www.egroups.co.jp/group/TUP-Bulletin
*問い合わせが膨大な数になっています。ご返事が書けない場合がありますので、
ご容赦ください。
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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月5日(火)
午後3時14分
タイトル: TUP速報151号 03年8月5日 ワシントン大行進ニュース(最新版)
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[ANSWER]: 10月25日ワシントン大行進ニュース(最新版)
2003年8月4日(月)17時17分31秒
* メールニュース最新版 *
10月25日ワシントン大行進
- 米軍をアメリカに撤退させよ
- イラク占領を終結せよ
*10月25日用新しいリーフレット・ステッカー完成
*イスラム教徒アメリカ協会自由事業団、市民の自由と公民権を守り、人種と宗
教による選別に反対して、10.25参入行進を呼び掛ける
(訳者註:feeder march を参入行進とした。本流の行進に参入する傍系の行進の
ことを言うらしい。定着した訳語は無いようだ。)
新しいリーフレットとステッカー完成
10月25日ワシントン行進用のきれいな2色刷リーフレットとステッカー大量印
刷完了しました。ビラとステッカーはPDF文書でも入手可能。下部に地域の連絡
先等記入用空きスペースあり。
リーフレットのダウンロードは下記サイトから。
http://www.internationalanswer.org/pdf/o25color.pdf
ステッカーのダウンロードは下記サイトから。
http://www.internationalanswer.org/pdf/o25sticker.pdf
白黒版が使えるのは、明日になります。
以上のPDF文書を見るにはアクロバット・リーダーが必要です。アクロバット・
リーダーは次のサイトから無料でダウンロードできます。
http://www.adobe.com/products/acrobat/readstep2.html
イスラム教徒アメリカ協会自由事業団の参入行進
イスラム教徒アメリカ協会自由事業団は10月25日のワシントン全国行進に、ホ
ワイトハウス真北のファラガット広場から出発する参入行進で参加する計画であ
る。10月25日のデモはいわゆるアメリカ合州国愛国者法の署名2周年にあたる。
ブッシュとアシュクロフトが権利章典をないがしろにし、人種と宗教による選別
を合法化するためのキャンペーンを張り始めたとき、数万のイスラム・アラブ系
アメリカ人および東南アジア人が検挙されあるいは尋問を受けた。参入行進の詳
細な情報は間もなく公表される。
*追加情報*
10月25日のペンタゴンへの行進にたいする賛同団体・個人は1700を越えてい
る。呼び掛けを広め、あなたの地域から更に多くの団体・個人に賛同するよう要
請して欲しい。いろんな団体・個人、市議会議員、労働運動活動家、女性団体、
同性愛者組織、そして宗教界、地域、学生、そして青年の指導者たちに、電話や
E-メールを送ってもらいたい。
10月25日(土)
ワシントン大行進
行進は法務省からホワイトハウスを経由しペンタゴンまで
スローガンは
- イラク占領を終結せよ
- 米軍を直ちにアメリカに撤退させよ
- 金を雇用、教育、保健医療に回せ、戦争には使うな
10月25日の行動呼び掛けを読むには次のサイトへ。
http://www.internationalanswer.org/campaigns/o25/index.html
賛同署名の簡易書き込みサイトは次。
http://www.internationalanswer.org/campaigns/o25/index.html#end
以下略
翻訳:寺尾光身
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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月7日(木)
午前3時46分
タイトル: TUP速報152号 03年8月7日 イラク人戦没者の扱いにアメリカの不名誉を見る
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イラク戦争での米軍戦死者は逐一数えられ、開戦時以来のその累計は日毎に報
告されている。だがイラク側の軍人戦死者と民間人戦没者の公式集計は存在し
ないし、これからも存在することはないだろう。
加害者には戦災の実態が見えないし、見ようともしない――「問われているの
は、アメリカの名誉の問題なのだ」と筆者ジャック・マイルスは言う。
ひるがえって私たちは、今年も巡りくる8月15日、同胞の戦死と戦没を追悼
しつつ、加害の歴史にどれほどの思いを馳せるのだろうか。
(TUP 井上 利男)
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トムグラム:
『ジャック・マイルス、イラク人戦没者の扱いにアメリカの不名誉を見る』
トムディスパッチ・コム 2003年7月24日
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[編集者トム・エンゲルハートによる長い序文]
またもや戦闘で米兵たち2名が死亡し、多数が負傷し、またモスルでの激しい
銃撃戦のすえ、どうやらサダム・フセインの粗暴な息子たちが死亡したらしい
この日に、戦没者たちに思いを馳せるのも自然ななりゆきであろう。戦争が終
結して以来、ここ数週間、米軍戦死者数集計がそれ自体で日々のニュース項目
になっている。例えば、わが街の新聞ニューヨーク・タイムズでも、中面掲載
のイラク関連記事に、連日、『亡くなった人々』と題された地味なコラムが収
録されている――昨日の紙面を見れば…
戦死5名:
ジョエル・L・バートルディ、
ジャスティン・W・ガーヴェイ、
ジェーソン・D・ジョーダン、
ジョナサン・D・ロジエ、
メーソン・ダグラス・ウェットストーン。
直言すれば、米軍戦死者数は、さながら、いまだに燻(くすぶ)ったままの疑惑
に火がつく瞬間に向かう、ある種のカウントダウン――否、カウントアップ―
―の様相を呈している。
今度の戦争(プラス戦後)の米軍戦死者数が第1次湾岸戦争のそれを上回った先
日、それがニュースになった。今、わたしたちはかけがえのない命を一人一人
数えている。当然のことだが、わたしたちはアメリカ人の死について詳細に知
ろうとする。それでも、その死の集計方法と分類方法については論議の余地が
ある。例えば、エディターズ&パブリッシャーズ誌掲載のグレグ・ミッチェル
の記事『メディア、イラクでの死亡事例を控えめに集計』を読めば、兵たちが
本国基地に駐屯したままならば、ほとんどの場合、避けられたはずの、世間に
知られざる戦時状況での、自殺と車両事故をふくむ"戦闘外の死亡"が報道では
おおむね無視されていることがわかる。それでもせめてものことで、ミッチェ
ルは、執筆時点で合計85名だった戦後死亡事例の分析を紹介することはでき
た――
「エディターズ&パブリッシャーズ誌が85件の死亡事例を分析した結果では、
車両事故による軍要員死亡数(17件)は、銃撃創によるそれ(19件)にほぼ匹
敵する。手榴弾攻撃による死者は10名であり、爆発事故による死者は7名で
ある。それにヘリコプター墜落事故による死者は7名である。6名は"敵性で
ない"銃撃なるもので死亡し、溺死者も3名いる」
アメリカ国民にとって、同胞の戦死が重要であることは疑問の余地もない。な
んと言っても、朝鮮戦争終結から半世紀以上も経過したというのに、しかも北
朝鮮とブッシュ政権との緊張が高まっているにもかかわらず、今でもあの戦争
中に行方不明になった米兵を捜索するために北朝鮮人たちの協力を仰いでいる
ほどである。ベトナム戦争終結から30年近くたった今も、(かの国の人びと
の支援を得て)わが国は戦死米兵を探している。どの国でも、戦没者を把握す
ることは切なる要求であることを示すために、これ以上に説得力のある証明が
必要だろうか。
しかしながら、戦没者が――侮られ、打倒された体制の側の敵性国民であり、
しかも解放されるべきであるとされた国民――イラク人ともなれば、ここにジ
ャック・マイルスが雄弁に明らかにしているように、話がまったく別になって
しまう。マイルスの記事が格別に心動かすのは、アメリカ人が過去と現在の戦
没者を数え上げ、悲しみに暮れる親族と配偶者のもとへ、その遺体を連れ帰り
(あるいは少なくとも戦死の状況を伝え)たいと望んでいるという、まさしくそ
の心情に照らし合わせたうえでのことだと思う。
米軍は、イラク側の戦没者については、民間人と軍人の別を問わず、いかなる
集計の企てであれ、まったく関知しないという態度を貫いてきた。それは、負
け犬である敵への礼節を無視したいという原初的衝動のせいであろうことは間
違いない。同時に、米軍の"精密"兵器が直接的・間接的に引き起こした現実の
殺傷の規模を(イラクでは報道される可能性さえもないので――少なくともア
メリカ本国で)公に知られたくないという衝動のせいでもあるだろう。あるい
はまた、過去数世紀、いつの時代であれ、第一世界・第三世界の間で勃発した、
すべての植民地侵略戦争に共通して見受けられた基本的構造を隠したいという
衝動のためでもあるだろう。2度にわたった対イラク戦争でも同じだが、その
ような戦争は、片方では、何千・何万もの国民が殺され、他方では、犠牲者は
相対的に少ないという、いつの時代でも同じ一方的虐殺なのである。(5万8
000という驚くべき数のアメリカ人が死亡したベトナム戦争の例でさえも、
アメリカの戦没者すべての名前を刻印した"慰霊の壁"で譬(たと)えれば、われ
われのものと同尺度でベトナム版を造るとすれば、それはあまりにも巨大なも
のになり、どのような建て屋にも収容できなくなるほどである)
だが、このように道理をあれこれ並べたとしても、イラクに駐在するアメリカ
の制服組と文官が相手では、「泣く子と地頭には勝てぬ」であり、敵方の戦没者
を数えさせるどころか、その気にさせることも、死者を当然の礼節をもって扱
うようにさせることも無理である。ニューヨーク・タイムズ、マイケル・ゴード
ンの最近の記事『米、イラク防衛軍攻撃開始は2002年』は、連合国軍最高
司令官マイケル・モーズリー中将が、サダム・フセイン体制打倒を目指す実際の
空爆作戦は、たぶん公式に開戦したよりも9ヶ月前、ブッシュ政権が開戦決定
を公言したよりもずっと前、2002年中ごろに始まったと得意げに語ったと
伝えている。(ところで、この件は少なくとも2003年初頭には判明してい
たが、当時、アメリカのメディアでは伝えられず、外国の新聞紙上で論じられ
ていただけである)
ゴードンの記事中、次のような異様な一節が私の目をひいた――
「内部情報、および後になって行われたモーズレー将軍の会見によって開示さ
れた情報によれば……立案された空襲による民間人死者が30人を超えると想
定された場合には、航空戦指揮官たちはラムズフェルド国防長官の承認を得な
ければならなかった。こうした想定の襲撃提案は50件以上におよび、ことご
とく承認された」
この記述でわかるように、その気にさえなれば、イラク民間人戦没者を推計す
ることもじゅうぶん考えられた。要するに、ある程度、実行するかしないかの
選択の問題なのだ。
ジャック・マイルスは独自の方法でこの課題に挑戦している。彼は、マッカー
サー財団フェロー(奨学生)にしてポール・ゲティ基金理事長の上席顧問であり、
その著書『神――一代記(God: A Biography)』はピューリッツァー賞に輝いて
いる。以下に紹介する作品のダイジェスト版が、『敬意を払われるべきイラク
人戦没者たち』のタイトルで、6月20日発行のコモンウィール誌に掲載され
ている。(署名)トム
(訳注:ここでトム・エンゲルハートが別バージョンをわざわざ紹介している
のは、訳アリ:
http://www.jackmiles.com/default.asp?id=24&newsaction=newsdetail&article
id=38
クリックして頁末に注目のこと――英語が読めなくとも、めまぐるしくカウン
トアップするイラク戦費[Cost of the War in Iraq]の急騰ぶりに驚くはず)
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『アメリカはイラク国民を何人殺したのか?――不名誉の記録』
――ジャック・マイルス
How Many Iraqis Have We Killed?
A Question of Honor
By Jack Miles
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「沈黙、そして記憶の痛ましい残響が……この苦悩の大地に垂れ込めている」と
ナショナル・ジャーナル誌上でイラク戦争を報じたジェームス・キットフィール
ドは書き、目にした光景に衝撃を受けたことを隠さない――「今度の戦争で殺
されたイラク国民の正確な統計は存在しないが、死者数は何千に何千を重ねた
ものになることは間違いない」 これら死者たちとその遺族たちの扱われ方以
上に、アメリカによるイラク占領を特徴づけるものは他にない。
バクダッド首都圏の医療施設の独自調査にもとづいて、ロサンジェルス・タイ
ムズ誌が5月18日付けで報道した記事によると、主な戦闘作戦の期間中に、
バグダッドで、1700ないし2700人の民間人が殺された。しかし、病院
当局者たちがタイムズに語ったところでは、イラク人であれ、アメリカ人であ
れ、公的機関のどれひとつとして、そのような情報に関心を寄せなかった。
「誰一人として、この病院での死者数について私たちに問い合わせていません
――保健省役人も、戸籍局担当も、アメリカ人も、誰一人としてです」と、中
心市街から20マイルばかり南に位置し、ここだけで200人を超える民間人
死者を出したと伝えられるマハムーディア病院の整形外科医ダウド・ジャシム
は言う。「当地は戦場になって、民間人がど真ん中に巻き込まれたというのに
です」
AP通信が、病院を個別に調査して、判明した民間人死者数は、バグダッドで
の1896人を含め、少なくとも3240人であると6月11日に発信した。
だが、イラク国内に124ヵ所ある病院のうち、APが取材したのは60ヵ所
だけであり、対象期間も3月20日から4月20日までに限られている。
「…この数値はまだ断片的なものであり、いつの日か、実際に数え上げられる
として――確定値は疑いなく著しく膨大なものになるだろう……仮に病院の記
録に遺漏がないとしても、それが事実の全体を伝えるものではない。死者の多
くは病院に搬送されることもなかった。イスラムの慣習にのっとり、ただちに
親族によって埋葬されたり、瓦礫の下で行方不明になったままの者も多いのだ。
APの計算では、病院死亡例のうち、民間人と軍人とを判別する文書記録がな
いものはすべて除外した。つまり、イラクで最大規模の諸都市での、もっとも
苛烈な戦闘によるイラク国民犠牲者たちはこの数値に算入されていないことに
なる」
驚くべきことに、このAP通信のよる調査に、その要約だけでも、報道価値を
認めたアメリカの新聞社はほとんどないに等しい。
イラク人戦没者数に関するアメリカの公式集計は存在しないし、今のところ、
その計画もない。AP通信の取材に対して、国防総省報道官ジム・カッセラ中
佐は、「わが軍は努力は敵の戦闘能力の破壊に全力をあげているのであり、民
間人を標的にすることなどは論外であり、偶発的な死亡例を数える理由もな
い」と応え、イラク軍は民間人に偽装し、あるいは民間人を盾に使う戦法を取
ったので、民間人死亡数を正確に計算することは不可能であると言い足した。
軍人の戦死者数についての情報でさえも、さらに輪をかけて断片的である。米
軍当局がウォールストリート・ジャーナル紙に語ったところでは、バクダッド
攻略戦単独で、4月10日までに2320人のイラク兵が殺されていた。それ
に先立つ1週間前に、ユーフラテス川からバグダッドへの道路上で4000人
のイラク兵が殺されたとする米軍の「複数の将校」の見解をCBSテレビが報道
している。この数字に加えて、イラク南部のウムカスルとバスラにおける戦争
前期の激しい戦闘と、北部のモスルとキルクークの攻略戦、ほとんど注目され
ていないが、イラク西部のヨルダンとの国境を封鎖するための戦闘、その他雑
多な流血の作戦でのイラク側戦死者を計上しなければならない。これらを合計
した数については、予備的な試算値さえも存在しない。
イラクにおける軍人戦死者数に対する民間戦没者数の比率はどうなっているの
だろうか。5月1日、米軍装備の照準性能が精密なおかげで、軍人戦死者は民
間人戦没者よりもはるかに多いと、ブッシュ大統領が断言した――
「フセイン像が倒壊する映像として、新時代の到来をわれわれは目撃している
のです。この戦争の1世紀、開発され、配備されてきた軍事技術は殺傷力を拡
大する一方であり、核時代に最高潮に達しました。ナチス・ドイツと帝国日本
を打倒するために、連合軍は都市全体を破壊しましたが、紛争の元凶である敵
指導部は最後の日々まで無事でした。体制の打倒を目指して、軍事力が国家を
破壊するために行使されたのです。
「今日、われわれはさらに強大な軍事力を保有し、国家の解放を目指して、危
険で好戦的な体制を破壊するのです。革新的な戦術と精密兵器によって、民間
人に暴力を振るうことなく、われわれは軍事目標を達成できます。神ならぬ身
で、戦争の悲劇をすべて除去することは不可能です。それでも、無辜(むこ)の
民よりもはるかに増して、戦争がもたらす恐怖を罪人たちが味わうことになる
のは、道義の偉大なる前進であります」(拍手喝采)
大統領の言葉が真実であれば、拍手喝采に値するであろう。だが、本稿執筆時
点で、サダム・フセインが逃げおおせている模様であるという事実は別にして
も、戦争における民間人死亡の主要原因は、戦闘そのものではない。「戦災死
亡の90パーセントは民間人にみまいます」と、南アフリカ共和国ナタール大
学、平和研究プログラム主事ジェフ・ディビスが、最近、クリスチャン・サイ
エンス・モニター紙に語った。「さらに言えば、死亡原因の大半は、医療施設
の機能不全ないし停止なのです。戦闘ではありません」
大半の研究者たちの推計によれば、第1次湾岸戦争における軍の戦死者数は1
万ないし1万5000人である。民間戦没者はもっと多くて、コロンビア大学
の調査によれば、1万7500人である。実戦に巻き込まれて、付随的に犠牲
になった民間人死亡者は3500人であり、タイムス誌が報道した実戦終結後
についての調査を引用すれば、「戦災難民たちが汚染した河川水を飲用・浴用
に使ったために、さらに1万4000人が水系感染症で死亡した」 フィラデル
フィア・インクワィアラー紙が伝えたカーネギー・メロン大学の研究の推計値で
は、実戦中の死亡者数は同じ3500人だが、実戦後の死亡者数ははるかに多
い11万1000人であるとされている。
精密兵器を誇るにしても、第1次湾岸戦争で見うけられた死亡数上昇曲線は第
2次湾岸戦争でも再現されるだろう。この5月、手におえない下痢症状で急速
な死にいたる水系感染症コレラを、バスラ市内の病院2ヵ所で17症例、WH
O(世界保健機構)が確認した。英米連合軍の空爆によって、バスラの水道施設
に電力を供給する配電網が、戦争の初期段階で破壊された際、住民たちはシャ
ッテルアラブ川の汚染水を汲み上げるしかなくなった。6月末になって、バグ
ダッドの配電網に対する略奪(と破壊)行為を占領軍が阻止できないでいるため
に、停電が頻発し、その影響が下水施設の巨大な補助電源にまでおよんでいる
とニューヨーク・タイムズが報じた――「バグダッド東部のいくつかの地域では、
下水があふれ、いくつもの街路が全域的に冠水している」
米軍戦場推計によるイラク軍戦死者数の規模、給水系統の破壊の程度とコレラ
発生の公的文書記録、ロサンジェルス・タイムズとAP通信などの地道な真相
報道努力などを勘案すれば、第2次湾岸戦争のイラク側の人命コストは第1次
のそれの2倍に達するだろうと仮に推量しても、あながち荒唐無稽ではないだ
ろう。第1次湾岸戦争の戦没者数を最低推測値の3万人(軍1万2500人+
民間1万7500人)だとすれば、控えめに見積もって、今度の軍事衝突の結
果、6万人のイラク人が死亡することになる。
この規模の戦災死亡がイラク社会に与える衝撃はどのようなものになるのだろ
うか。個々の人命の価値は計り知れないことを認めたうえで、大量死がもたら
す社会経済的衝撃は被災集団の人口規模によって変動する。イラクは、人口が
2400万であり、人口2億9000万のアメリカの12分の1の規模の社会
である。今度の戦争によるイラクの戦没者数が6万であると仮定すれば、アメ
リカで72万(6万X12)の人命が失われるのに匹敵する打撃をこうむって、
これからの歳月、イラク社会は動揺するであろう。
6万とか72万の数値を記しても、ブッシュ政権の顔をつぶす意図は、私には
ない。(そんなことをしても、なんの意味があるだろうか) 意図があるとすれ
ば、政権の腰をあげさせたいのである。つい先日、政権関係者たちによく読ま
れている保守派の週刊誌ウィークリー・スタンダードが、イラクの戦没者の公
表記録を持続的に照合・集計しているネット団体、イラク・ボディカウント(遺
体計数)プロジェクトについて書いた――
「まるで誰かがイラク民間人の死を願っているかのようだ。連中は政治的な点
数稼ぎにあまりにも熱心なので、ごく大雑把なものだが――イラク側死亡者数
についての報道なら、どんなものでも死にもの狂いで漁(あさ)るのを見れば、
さながら獲物の肉に食らいつくかのようだ。連中の政治信条を言うならば、よ
いイラク人は死んだイラク人なのだ」
これは"特定の人びと"に関しては真実であろうが、死者に敬意を払うことによ
って、被占領地の人心を惹きつける誠実な努力こそが、アメリカによるイラク
占領統治の成功の支えなのではなかろうか。アメリカ主導のイラク暫定政権が
この問題にまったく注意を払う必要はないと、ウィークリー・スタンダードは
考えているのだろうか。
占領政策の結果、ついに人権が確立し、保証される自由で繁栄した国家社会が
実現することによって、苛酷な戦災が補われることを願う点では、戦争に反対
する立場でも、賛成する立場でも変わりはない。だが、たった今、問われてい
るのは、イラク国民の人心掌握とかイラクの復興だけではない。問われている
のは、アメリカの名誉なのだ。アメリカ建国以来で初めての先制攻撃戦争の結
果、アメリカ人は自らの手で殺害したイラク人の数を問うこともしなかったし、
知りたいとも思わず、遺児たち、未亡人たち、奪われた親たちに少なくとも告
知だけはする義務があるとは考えなかったと、これから何年か先には、いや何
ヶ月か先には、言われることになるのだろうか。
軍隊にとって、戦闘の真っ最中に、故意によらない民間人戦没者たち数えなけ
ればならない理由はないと認めたとしても、いやしくも責任ある政権ならば、
死者に対して果たすべき義務、すなわち遺体を埋葬し、遺族に告知し、死亡し
た人々の名前を公表するという基本的な義務から、唯一のイラク施政権者とし
てのアメリカは逃げるわけにはいかない。求められているのは、追悼の献花を
捧げるに類することなのだ。軍の戦死者にしても、民間戦没者にして、手向け
られるべきはアメリカ国内での飛行機事故犠牲者への扱いに類することなのだ。
だが、今までのところ、このようなささやかな行為も見受けられず、礼儀を失
した怠慢はアメリカによるイラク解放の面目をつぶさないではおかない。
-------------------------------------------------------------------
[原文]
Tomgram: Jack Miles on Iraqi casualties and a question of honor
How Many Iraqis Have We Killed?
A Question of Honor
By Jack Miles
posted July 23, 2003 at TomDispatch
http://www.nationinstitute.org/tomdispatch/index.mhtml?pid=842
Copyright C2003 Jack Miles
(著作権者ジャック・マイルスよりTUP配信許諾済み)
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翻訳 井上 利男 / TUPスタッフ
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TUP速報
菅原 秀 Schu Sugawara
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| 154 |
投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月7日(木)
午前3時46分
タイトル: TUP速報153号 03年8月7日 ギリシャ法律家協会、ブレアを戦犯告訴
|
| |
=================
イラク戦争については、さまざまな人たちがさまざまな形で戦争に反対しました
が、今こうして、遠く離れた国の法律家の方たちが、正当な理由をもってイラク
戦争を裁こうとしていることは、とても心強いと思いました。今後の動きが気に
なるところです。
(荒木由起子/TUP)
---------------------------------
ギリシャ法律家協会、ブレアを戦犯告訴
---------------------------------
ヘレナ・スミス(アテネ)
2003年7月29日(火)
英ガーディアン紙
http://www.guardian.co.uk/Print/0,3858,4721982,00.html
7月28日、ギリシャ法律家協会は国際刑事裁判所(ICC)へ訴訟を起こし、ブレア
首相をはじめ、ジャック・ストロー外務大臣、ジェフ・フーン国防長官、国防担当相
のアダム・イングラム氏を告訴した。
同協会は、刑法に違反する110の行為の概要をまとめた訴状の中で、「米英国の
度重なる悪質な行為は、戦争犯罪と人道に対する罪に該当し、1949年のジュネー
ブ諸条約、1954年のハーグ条約、ICCの規定に違反している。被告はジュネーブ
協定の保護下にある個人に対し、意図的に大きな肉体的、精神的被害を与えた」
と述べている。
そして、イラクでは、戦闘を好まない人たちや非軍事的施設、無防備な町や村、
集落などへの攻撃が目立ち自然環境も破壊したとも言及している。訴訟が進め
ば、コフィ・アナン国連事務総長、前国連監視検証査察委員会委員長のハンス・
ブリクス氏、ロマーノ・プローディ欧州委員会委員長を初めとして、海外から多く
の証人を召喚する計画だ。
ICCは戦争犯罪、大量虐殺、非人道的犯罪を審理する目的で、昨年設立されたが、
批評家たちがカンガルー裁判(法律や人権を無視した私的な裁判)と呼んでいる
この裁判所は、国に、自国民が犯したとされる犯罪を調査、起訴する能力がない、
あるいは、調査や起訴をしようとしない場合にのみ機能する。
今回の訴訟には、イラク戦争前にギリシャで広がった反戦感情が反映されている
が、原告側にとって実質を伴う内容かどうかはICC主席検察官のルイス・モレノオ
カンポ氏の決議にかかっている。ギリシャは、同盟国のために領空を提供したり、
軍用基地を整えたりと、密かに今回のイラク侵攻を支援しており、9割以上のギリ
シャ国民が国に対して激しく反対していた。
協会の代表デミトリ・パキシノス氏は、告訴後、ブレア政権がイラクの大量破壊兵
器保持疑惑に関して諜報機関を「刺激した」かどうかにかかわらず、この告訴に
は「充分な根拠」があったことを繰り返し述べた。そして、ブレア首相は、どんなこ
とがあっても法廷に姿を現すべきだと語り、こう付け加えた。「訴訟を起こしたこと
は私の義務だと思っているから、たとえ現れなくても、私にはどうでもいいことなの
だが」。
尚、デミトリ代表によると、米国はICC条約を批准していないためブッシュ大統領に
対しては今回のような告訴をしていない。
法律の専門家は、ICCがこの審理に踏み切れば、それが、「堰を切り」、ICCに同
様の訴訟が起こされる前例となるだろう、と話している。
(抄訳/荒木由起子)
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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月7日(木)
午前3時46分
タイトル: TUP速報154号 03年8月7日 死んだ独裁者は、何もしゃべらない
|
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フセインの息子たちの殺害(まだ幼い孫息子も死亡)とその無
慙な死体写真の公開に続くフセイン狩りは、民間人を巻き込み
、多数の死傷者を出しています。その結果、当初米軍を歓迎し
たイラク人の中からも、反米に転向する人たちが続出している
そうです。なぜ、これほど、フセイン狩りにこだわるのか。イ
ラクのレジスタンスは、フセインの残党によるものだから、フ
セインを退治することが先決という米国側の主張だけでなく、
他にも理由があるという報道を見つけたのでご紹介します。
(丸田由紀子 / TUP)
*******************************************************
「死んだ独裁者は、何もしゃべらない」
7月22日、フセイン兄弟の殺害直後、興奮さめやらない米兵が
投石する群集に発砲、少なくとも2人が死亡、多数の民間人が
負傷したと伝えられています。28日には、フセインないし、フ
セインの末息子が隠れていると見なされたバクダッド市マンソ
ア地区が米軍捜査隊に襲撃され、巻き込まれた5名から11名(
子供2名と母親、身体障害の父親を含む)の民間人が死亡しま
した。死亡した民間人は、襲撃の計画を知らず、車で現場に近
づいたところを、米軍が警告なしで発砲、車は炎上、車内にい
た人たちは、銃殺されたか、焼死した模様です。米軍は救助も
せず虐殺現場を立ち去ったので、死傷者を病院に運んだのは地
元の人々でした。
これら一連の乱暴な米軍の作戦行動に対し、イラク人の反米感
情は増大する一方です。なぜこれほど米国は、フセイン狩りに
こだわるのか。この疑問に答えるかのように、CBSテレビのサ
ンデー・レポートで、外交問題専門家エリック・マーゴリスが
、ブッシュ政権は、フセインの捕獲ではなく、殺害を狙ってい
るとコメントしています。「もし、フセインが生きたまま捕ま
り、裁判にかけられたら、1980年代にフセインがアメリカの親
しい同盟者だった頃のことがいろいろ暴露されるので、非常に
厄介なことになる」が、「死んだ独裁者なら、何もしゃべらな
い」からだとか:
“死んだ独裁者なら、何もしゃべらない”
http://www.cbc.ca/stories/2003/07/27/saddam_margolis030727
このコメントを裏付けるように、リチャード・アーミティージ
国務副長官も、「フセイン捕獲の際、米兵の命が危険に曝され
る恐れがある場合は、躊躇なくフセインを殺すべきだ」と発言
したとテヘランタイムズが伝えています。同紙は、「一点の疑
いもない降伏」だけが、フセインが生きて捕獲される条件だろ
うと解説していますが、アジト襲撃などの混乱の中で、そのよ
うな条件を満たすことは不可能です:
“危険なら、躊躇なく殺せ”
http://www.tehrantimes.com/Description.asp?Da=7/30/03&Cat=2&Num=022
ブッシュ政権にとって、「厄介なこと」とは、おそらく、1980
年代の米国によるフセイン政権への大量破壊兵器供与などの事
実であり、これらの政策に、ブッシュ一世(レーガン政権の副
大統領から次期大統領となる)やラムズフェルド現国防長官(
当時のイラク特使)が深く関与していたことは、今年2月にジ
ョージ・ワシントン大学によって公表されたラムズフェルドと
フセインの握手の写真付き資料によっても明らかです:
“米国機密文書が暴く1980年代前半米国親フセイン政策”
http://www.gwu.edu/~nsarchiv/NSAEBB/NSAEBB82/press.htm
知りすぎている独裁者の殺害は、フセインの息子たちの殺害(
一説によると、ウダイは降伏を交渉中だった)からも、予測さ
れる事態です。しかし、フセインには、まだ少年の末息子がお
り、これも殺害されることになると、対イラク戦争は、ますま
す、「血縁を絶つ」という中世のような血なまぐさい権力闘争
の様相を呈してきます。
一方、イラクの大量破壊兵器未発見に関し、米国内でも批判の
声が高まるなか、ブッシュ二世大統領は、7月30日、ローズガ
ーデンの記者会見で、一般教書演説に含まれたイラク情報の誤
謬について、個人的に責任をとると明言しました。これは、一
族郎党には保護本能が強く働くブッシュ大統領の一面を表す発
言です。しかし、大量破壊兵器を非通常兵器と言い換えており
、表現を和らげるよう努めています。また、大量破壊兵器が発
見されなくても、対イラク戦争の正当性は、歴史が証明すると
主張しながらも、米国の意図を勘ぐる批判者や皮肉屋をなだめ
るため、「証拠を発見する必要がある」と認めています。ただ
し、「発見」または「提示」という意味で使われた動詞”produce
”には、「でっち上げる」という含意もあり、皮肉な発言とな
りました:
“ブッシュ大統領、イラク関連疑惑に責任をとると発言”
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A2184-2003Jul30.html
また、大量破壊兵器未発見を重視せずという最近の戦略にも関
わらず、ブッシュ政権は、イラクの核疑惑を裏付ける証拠とさ
れたニジェール偽造文書についてかなり神経を尖らしており、
ニジェール政府に、これ以上、偽造の事実を主張しないよう圧
力をかけているということです:
“米国からニジェールへ警告 - イラク核疑惑騒動に関わる
な”
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml;$sessionid$JNK12ZXUE13J5QFIQMGCFFWAVCBQUIV0?xml=/news/2003/08/03/wwmd03.xml&sSheet=/news/2003/08/03/ixnewstop.html
これら一連の事件をとおして浮き彫りとなったブッシュ政権の
真相隠しの姿勢には、たんなる政策やイデオロギーの次元を超
えた血生臭さが漂っています。大量破壊兵器疑惑からイラク侵
攻に至る事件の真相を探るには、ブッシュ家二代に渡るフセイ
ンとの深い因縁も追求する必要がありそうです。
(要約・構成 丸田由紀子 / TUP)
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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月8日(金)
午後11時08分
タイトル: TUP速報155号 03年8月8日 歴史は私たちの味方だ
|
| |
古代に遡って人間が信じてきた(信じるようしむけられてきた)ひとつの価値観が、
崩壊する兆しを見せていることを、クレイグ・バーンズは指摘しています。戦争の大
義も何もかなぐり捨てたようなイラク戦争は、戦いの醜さを露呈しつくしたように思
います。戦争という手段はもう使えない、戦争はもうやめよう、という気持ちが人々
の間にじっくりと浸透しつつあることが、このスピーチから改めて実感されました。
(田村優子/TUP)
---------------------------------
歴史は私たちの味方だ
---------------------------------
クレイグ・バーンズ(アメリカ)
2003年5月6日
「平和のための退役軍人会」でのスピーチ
http://www.pepeace.org/current_reprints/03/History%20Is%20On%20Our%20Side.htm
公民権問題を専門とする弁護士で政治評論家、かつ劇作家でもあるクレイグ・バーン
ズは、2003年5月6日にニューメキシコ州サンタフェのレンジック劇場で開かれた「平
和のための退役軍人会」の会合でスピーチをした。聴衆は総立ちで拍手した。
-------------------
歴史は私たちの味方だ
友よ、出口を求めて暗雲ただよう中をさまよう今こそ、かつて人々がベトナム戦争を
終結させたことを思い出そう!抗議集会、大統領の嘘の発覚、ペンタゴン文書の公
表、若者への徴兵の影響、5万人を超える若者の死。これらが資本主義と共産主義は
必然的に対立するものとの強い思い込みや、軍事産業の拡大、そして大統領による帝
国主義の推進という傲慢さに打ち克つ力をもった考え方を生み出したのだ。
ベトナム戦争は、人々が終わらせたこと、そして戦争の終結という偉業が私たちが生
きている時代に起きたという意味で、最良の戦争だったと言えるだろう。それは今夜
ここにいる、大統領の嘘を見抜いて隊列を離れたケン・メイヤーズやチャーリー・ク
レメンツのような、勇気ある人々のおかげである。また、私たちと同じ思いを持った
ものが他にもたくさんいるだろう。私たちは帝国主義戦争を終わらせる力があるし、
既にそれを成し遂げている。
数百年もの間、イギリスとフランスは闘うのが当然だと思われていた。しかし、今で
はそんなことは現実的でもなく、無益で想像の及ばないことと考えられている。フラ
ンスとドイツは過去150年間、3回闘い、何百万人もが命を失ったが、これも今では考
えられないことだ。マルクスは共産主義と資本主義の戦争は不可避だと言い、そのた
め過去70年ロシアと西側の戦争がありうると考えられてきた。だが、これも暴力に訴
えず、外交手段を用い、核兵器を使用せずに回避されている。アイゼンハワーもケネ
ディも、核兵器の使用には抵抗した。大統領でさえも、ときには平和を実現するとい
う挑戦を受けてたつことがあるのだ。
世界の多くの地域では、戦争が過去のものとなりつつある。それは、戦争が人間の運
命であるという説、つまり戦争のプロパガンダへの反証となるだろう。プロパガンダ
は戦争の命であり、戦争をもくろみ、準備し、投資を行うために必要とされている。
戦争は抑えのきかない怒りや攻撃性の結果ではなく、野放しにされたイデオロギーと
そのプロパガンダから生まれる。ホメロスが著したイリアッド(戦争叙事詩)以来、
プロパガンダは私たちを駆り立ててきたが、人間の歴史上初めて、ようやく戦争賛美
のプロパガンダが問題視されている。
今日、プロパガンダを流す連中は、いまや世界中でひとりひとりが発信基地となった
インターネットで、実際の経験談などが読める環境にいるわれわれと闘わなければな
らないのだ。この40年間、戦争の文化はかろうじて持ちこたえ、ベトナムで喫した敗
北から力を振りしぼって立ち上がり、グレナダやパナマ、ニカラグアやソマリアと
いった簡単に勝てる戦場へと突進していった。戦争のプロパガンダはエルサルバドル
やモガディシュで大打撃を受けて、1970年代にはアフガニスタンで破壊され、また今
の状況の中で苦しんでいる。
2003年2月15日に3000万人が街頭デモに繰りだしたのは、戦争の文化がもはや大衆を
コントロールできなくなったことの証だ。こんなに大勢の人が参加したのは、彼らが
真実を知っているから、また戦争のプロパガンダが衰退しているからだろう。
情報化時代の中で、そして過去200年にわたる民主主義の高揚の中で、私たちを支配
し、隷属させ、徴兵し、また企業宣伝に盲従するようしむけてきた勢力は、決定的な
誤りを犯している。今日、オーストリアのハプスブルグ家やフィレンツェのメディチ
家のような帝国主義的な寡頭政治を再建しようと画策する勢力は、時流に取り残され
た時代の最後のあえぎのようなものでしかない。巨大メディアや石油帝国、そして兵
器メーカーは、ナポレオンやスペインのエルシドになったつもりかもしれない。人間
の心を操る力は、ホメロスの時代に生まれ、殺戮と精神の堕落を称えてきた。しか
し、今日、3000万人が支配のからくりを理解し、反対を唱えることになろうとは、権
力の当事者は想像できなかったことだろう。
ベトナム戦争から学ぶ前の40年前にはこのような会合は開かれなかっただろう。魔女
を火あぶりにしなくなったこと、イラク人が「敵」で、図書館や博物館を燃やすこと
が「解放」であると私たちが説得されなくなったこと、これは人類の進歩の証だ。ラ
ムズフェルドは「戦争ではいろんなモノが燃えるものだ」と言ったが、燃えたのはた
だの「モノ」ではなかった。各国の主権の根拠となる豊かな土地を、過去200年間
培ってきたのは私たちなのだ。私たちはラムズフェルドが人類の歴史を燃やしたこと
に憤っている。彼は石油省を守っても、ハムラビ法典は守らなかった。ラムズフェル
ドは文明の味方ではない。
私たちは図書館の破壊よりもまともなこと、つまり生命の存続が大事だと思ってい
る。また、暴力による問題解決よりも大切なことを信じている。これらが軍国主義的
なアメリカの鉄面皮の内側にいる私たちを変え、政治の土壌に影響を与えている。地
球の温暖化は大気の話だけではない。地下の温度は上昇し、その熱が今夜の集会のよ
うな動きとなって噴出し、私たちは地球上のさまざまな場所で、戦争はハリバートン
やハークネス、ベクテルの健全な経営に資するとしても、人間にとっては不健全だと
訴えている。企業の掟から見れば健全でも、人類を守るがゆえに倫理的な権威となっ
ている憲法に照らせば不健全なのだ。私たちは徴兵要員ではなく、16桁のクレジット
カードの番号でもない。私たちは番号でも、暗号でもなく、人間なのだ!
こうした動きと意識によって地球の文化は変わり、私たちはようやくはっきりと主張
するようになった。つまり、ナショナリズムと攻撃性にあふれた土地はいやだ、私た
ちが思い描く約束の土地はこのような場所ではない、と。かつて十字軍などに追いや
られた子供たちとは違い、私たち未来の子供たちは、皆を新たな場所へ率いていく、
と。
第二のアメリカ革命が起きると言われているが、次は命を生み出す女性を、生命を作
り出す太陽と水を、人生に光明を投げかける季節、そして良識と人間の尊厳を賛美し
よう。生活の質とコミュニティの性格、人間関係が未来を支えるだろう。それは、長
時間、低賃金で働くことではなく、家や教育のためにローンを組むことでもない。人
間が互いへの信頼を誓い、「可能性を最大限に発揮する」のであれば、バグダッドの
博物館が燃えるのを見過ごしはしない。
今夜の会合は退役軍人の呼びかけたものだということを覚えておこう。彼らは戦争で
生
命、真実、良識がどうなるかを見てきたが、戦争を詩にはしない。今夜の私たちは退
役軍人のようなものだ。軍事予算に苦しめられ、資金不足の学校や、人手の足りない
病院で苦労した退役軍人なのだ。すべてのアメリカ人は退役軍人であり、英雄であ
る。そして今夜、私たちは古くからの目的、つまり文明を守るために再び志願入隊し
よう。
大統領は、12年間も続いたサダム政権はもうたくさんだと言った。しかし、戦争の美
化は紀元前8世紀のホメロスに始まっている。ここにいる私たちは、2800年もの戦争
美化はもうたくさんだと言いたいのだ!
人が生命を守る法に同意し、生存の原則に同意するとき、人はいわゆる「神」と共に
あるのだ。私たちは皆、生き抜き、種の存続の成功者だ。生命の成功の中心原則は相
互依存だ。他者に協力するのに費やす時間は、人殺しに使われる時間よりずっと長
い。信号で止まったり、税金を払ったりすることから夕食を作る手伝いをすること
も、みんな人に協力する行為だ。これまで一度だって私は人殺しなどしたこともな
い。だから「殺すのは生まれつき」というのはナンセンスだ。戦争のプロパガンダに
だまされるな。その掟が過去200年間人類を育み、発展させ、学ばせてきたのだ。長
老たちは財産確保と女性を囲い込むために戦争を美化し、宣伝したが、長期的な潮流
には反している。今日、財産も、女性たちも彼らの思うままにはならない。
人間は、いとも簡単に反逆者をつるし首にするような種族ではない。タフで生き残る
ためにフランスやシリアを罰しなければならない、という考えを広めるのはナンセン
スだ。私たちが今晩ここに来ることができたのは、誰かのおかげなのだ。それが人間
のDNAというもので、物事がうまくいく仕組みである。私たちの先祖が協力し合い助
け合って生きてきたことが、今日のこの会合に繋がっている。
人類にとっての真実は、友人や隣人を得て物事がうまくいくということだ。それで私
たちは安心できる。私はコロラド州の田舎で育ったが、そこでは近隣同士助け合って
きた。アメリカは隣人同士助け合うことで成り立っている国だ。それを基盤にしてコ
ミュニティが形成された。このことはアメリカだけでなく、人類に共通して当てはま
ることでもある。
戦争好きな連中に言ってやろう、もう潮時だと。粗野な人間が成功できると吹聴して
いるに過ぎない。個人主義は、神話でしかない。アレクサンダー大王も、シーザー
も、友人が必要だった。友人なしに世界に立ち向かう政策はたちゆかなくなるだろ
う。ナポレオンに、アントニウスに、ツキジデス、ヘロドトスに聞くがいい。戦争は
成功への道ではない。3000万人がすでにそれを知っている。博物館を燃やすごとに、
民間人を撃ち殺すたびにその数は増えるだろう。
花が太陽の方向に伸びるように、長い目で見て、歴史は生命尊重に向かうだろう。友
よ、命を尊ぶ友よ、協力しあえる、寛大で思いやりのある友よ、ホピ族が言うよう
に、私たちが待っていたのは、私たち自身なのだ。私たちは自力でここまで進むこと
ができた。歴史は私たちの味方だ!
(抄訳・文責:田村優子/TUPメンバー)
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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月12日(火)
午後11時03分
タイトル: TUP速報156号 03年8月12日 ウダイとクサイの死体写真
|
| |
ウダイ・クサイの死体の写真やビデオの公開には、多数の人た
ちが眉をひそめました。私もショックを受けた一人です。しか
し、イラク在住のジャーナリスト、ロバート・フィスク氏は、
イラク社会に関する深い知識と長い経験から、イラク人の反応
を分析し、示唆に富む結論を導きだしています。
(丸田由紀子 / TUP)
*******************************************************
「ウダイとクサイの死体写真 - イラク人の反応」
2003年7月25日
ロバート・フィスク
英インディペンデント紙
アラブ人は、死によってショックを受けない。もうすっかり慣
れっこなのだ。空襲や虐殺の犠牲者たちの首なし死体、集団墓
地や砂漠で野良犬に食い散らされた兵士たちの死体を見てきた
彼らに、死体の顔写真を見て道義的な問題を感じる西欧人の感
覚などはない。だから、今朝発表されたウダイとクサイの無惨
な死顔写真に対するイラク人の反応も、まったく予期に反した
ものだろう。
写真を見て、これは、バクダッドの怪物、フセインの息子たち
の写真だという者もいるだろう。そういった反応こそ、われわ
れ西側の狙いなのだ。バクダッド宮殿からイラクを統治する占
領側が思い描いた反応なのだ。これで、米軍を執拗に襲撃して
くるいわゆるサダムの残党もすっかりあきらめるだろう -
「おい、見ろよ、モハメッド。これは本物だ。彼らは死んだ!
もう万事休すだ!」
一方、これらの写真の信憑性に疑いを持つ者もいるだろう。ア
ラブ人は、昔から陰謀説を信じる傾向がある。たとえば、ウダ
イの凄まじい銃創だが、もちろん、その銃創を生じさせた致命
的な銃弾を自らの手で撃ちたかったイラク人は多い。しかし、
もし、これがウダイ自身の手による銃創だとしたらどうだろう
か。勇敢に外国人と戦って、最後に自殺したとすればどうか。
これは、イラク社会の部族的な生活感情にアピールする。
そして、歴史は最高にうまく仕組まれた出来事を意外な方向に
再構成するものだ。これらの凄惨な写真は、殉教者の写真とな
る可能性がある。フセイン兄弟は残酷だったかもしれないが、
臆病者じゃなかったと、バース党の残党は宣伝するだろう。
1980年から1988年にかけてのイラン・イラク戦争で、イラク人
は、死ということに驚かなくなっている。死者が次々と戦線か
ら送り返されてくるだけでなく、毎朝見る新聞にはイラン人兵
士の無惨な死体写真が満載されていた。彼らは、憎い敵であり
、写真はそれらの敵が退治されたことを告げていた。しかし、
数年後、サダム政権はイラン兵の死体写真掲載を中止した。そ
れらの死者に対し、イラク人が同情を感じていることを知った
からだ - 「死んだ敵の兵隊も、どこかの母親の息子なのだ
。戦死したわれわれの息子たちと変わりはない」
したがって、ウダイ・クサイ兄弟の死体写真の発表は、天才的
なアイディアだったという結果になるもしれないが、歴史に残
る破滅的な失敗となる可能性もある。
私の推測では、政権交代の現実を受け入れ、新しい未来を信じ
るのではなく、イラクに駐留する外国人に復讐し、これ以上の
占領の屈辱を拒否すべきだと感じるイラクの若者たちがますま
す増えると思われる。彼らは、バース党員でもなく、ウダイや
クサイを憎んでいた者たちかもしれない。しかし、死者には、
驚くべき評価の逆転が起こりうるのだ。
キンディ病院の死体安置所で、私が目撃した惨状は、ウダイ・
クサイ兄弟の写真などより、余程ひどいものだった - ビニ
ールシートの上に山積みになったイラク侵攻の犠牲者たちの黒
ずんだ骨と焼け爛れた肉塊…
この危険な国では、復讐はすぐに始まる。ウダイ・クサイ兄弟
の殺害直後、現場近くで3人の米兵が殺された。彼らの所属部
隊は、ウダイ・クサイを襲撃した第101空挺部隊である。
昨日、われわれは、ウダイ・クサイ兄弟の写真や殺された米兵
のことを、あれこれ考えて、頭をいっぱいにした。しかし、ヘ
イ・アル・ガイラニのスラム街で米兵に砲撃されて殺された2
人のイラク人については、だれも問題にしようともしない。彼
らは、米兵が前触れなしで道路に張りめぐらせた有刺鉄線に車
を突っ込んでしまったのだ。しかし、「チェックポイントで停
止しなかった」だけで、彼らの車は、砲撃され、炎上した。撃
った米兵たちは、そのまま立ち去り、車の炎上は半時間も続い
た。車内の人間たちがすでに死んでいたのか、生きたまま焼か
れていたのか、誰も知らない。
分かっていることは、炎上が収まるまで待ち、車の前座席の燃
えがらから、無惨な死体の焼け残りを拾い集めたのは、へイ・
アル・ガイラニの男や女たちだったことだ。「骨と肉しか残っ
ていなかった」と、キンディ病院死体安置所係りのエイデン氏
は語る。「もちろん、身元を証明する書類も残っていませんで
した。車のナンバープレートも溶けてしまったので、死者がだ
れなのか見当もつかない状態でしたが、米兵はまったく気にか
けていませんでした」
4人の地元民が死体を詰めたビニール袋を持って病院に現れた
が、死体置き場にやってきたり、死者の身元について問い合わ
せてくる米兵はいなかった。もちろん、バクダッドのどこかで
、帰ってこない息子たちの安否を気遣う家族がいたことは確か
だ。
銃弾でずたずたにされた車は、街路に放置され、激昂した群集
がこぶしで車体の屋根を叩いていた。占領に抵抗する戦士を募
る方法として、いったい、これ以上有効な方法があるだろうか
。
米軍が関心を持った死体は、ウダイ・クサイの死体だけだった
のだ。もちろん、キンディ病院の死体安置所に収容されている
無惨なイラク民間人の死体など写真にとるはずもない。
エイデン氏は、ある考えに取り付かれている。「ここに運ばれ
てくる死体には、ときどき、直感が働くことがあります。あの
炎上した車に乗っていた2人の男についてもそうなのです。彼
らは、兄弟だったような気がします。なぜだか分かりませんが
、そういう気がするのです」。しかし、彼らは、アメリカ人が
気にかけるはずもない兄弟であり、その死は、イラクの誰にも
告知されることはなかった。
http://news.independent.co.uk/world/fisk/story.jsp
(抄訳 丸田由紀子 / TUP)
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菅原 秀 Schu Sugawara
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| 158 |
投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月14日(木)
午前2時09分
タイトル: TUP速報158号 03年8月14日 近隣の遠い地から
|
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TUP速報96号(レべッカ・ソルニット、暗い時代の希望を語る)で紹介した
カリフォルニアの反核・平和活動家の再登場です。今回のエッセーでは、"戦
争と平和"について正面から語っているわけではありませんが……身の回りの
品々、日々の買い物、日常風景の中から、産業文明の消費文化が搾取と収奪に
つながる世界の底深い構造を読み解きます。
ソルニットが紡ぐ"物語"は、日常の世界に潜む喪失感を暴きながらも、どこか
不思議な希望をも伝えてくれるでしょう。「そうです。彼女は素晴らしい思想
家、著述家、活動家なのです」(トム・エンゲルハートからのメールより)
TUP 井上 利男
================================================================
『近隣の遠い地から』
――レベッカ・ソルニット
オリオン誌オンライン版
2003年7月28日(トムディスパッチ・サイト転載日)
-----------------------------------------------------------------
『毛織カーディガンの沈黙』
かつて、ナイキは(ギリシャ神話の)勝利の女神ニーケーであり、靴は物語を伝
えていました。
あまり遠くない昔、すべての"もの"が、単なるカップだとか、単なるコートで
はなく、この地を流れる河の、あの土手の粘土を材料に、誰それさんが捏(こ)
ねた、このカップ、あるいは、あの丘の上で草を食(は)む、あの羊の毛を紡い
で、この家のあの男が織り上げた、このコートとして、親しく見分けられてい
た時代がありました。当時、"もの"は、単なる物、単なる商品ではなく、人の
手と自然の働きの表われであり、それぞれが固有の物語を伝え、人はパンのみ
で生きるにあらずと言うように、物語が生きる意味を支えていました。あたか
も、ひとつひとつの"もの"が語るかのようであり――なかには歌っている"も
の"もあったはずですし――その言葉は誰の耳にも届き、ひとつひとつに固有
の来歴がオーラとなり、言葉が"もの"を包んでいました。
「すべての商品は一定量の凝固した労働時間に過ぎない」と、マルクスは説きま
した。しかし、今の時代、誰が、商品の構成要素である労働と素材の来歴にま
で思いを馳せられるのでしょうか。誰が、この世界の働きとして商品を産みだ
した物語、つまり、鉄鉱石や土塊にすぎなかったものを生活の一部になる形で
届けてくれた物語に思いを馳せることができるのでしょうか。都会の子どもた
ちはミルクが牛に由来することを知らないという類の話が、ここ数十年来、流
布しています。もっと最近では、アメリカのティーンエイジャーたちは地図上
でイラクを見つけられないという説が流行(はやり)です。でも、自分たちが着
ているセーター、自分たちがお茶に加える砂糖がどこから来ているのか、私た
ちの誰が知っているというのでしょうか。
私がこういうことに考えを巡らすことになったきっかけは、ベイ・ブリッジの
東岸側のたもとに、ショッピングモールが新規開業したことでした。新聞報道
によれば、その場所には、かつて北カリフォルニア随一の貝塚遺跡があったと
いうことです。(もっとも、私が育った町でも、やはり北カリフォルニア随一
と称して、ミウォク族の貝塚を誇っていたのですが、1950年代に、この遺
跡もブルで整地してしまいました。別にショッピングセンター開発のためでは
なかったのですが…)
このショッピングモールの立地場所は、1870年代から1920年代にかけ
て、遊園地、競技場、ダンスホール、射撃練習場を備えたシェルマウンド(貝
塚)パークと呼ばれる公園地でしたが、禁酒法時代に採算が取れなくなり、貝
塚は整地されてしまい、産業用地が造成されました。今でもカリフォルニア大
学バークレー校に保存されている先住オーロン民族の遺骨700人分は、ある
考古学者が1924年にその工事現場を緊急に調査して、発掘したものです。
ところが、その産業用地に進出した塗料・農薬の工場群が、やがて一帯を汚染
し、危険を覚悟で入りこむには完全密閉型の防護服の着用が必要なほどの毒で
汚染された荒廃地を残しました。それがショッピングモール用地として再開発
され、その際の汚染除去工事が、整地による破壊を免れていたオーロンの遺骨
の平安を乱してしまいました。
その場所を貫く街路は、今でも、シェルマウンド(貝塚)ストリートの名称で呼
ばれています。でも、モール自体には、GAP系列の御三家、ヴィクトリア
ズ・シークレット(婦人下着)、ウイリアムズ-ソノマ(キッチン用品)、エクスプ
レス(紳士衣料)、それにオールドネイビー(洋服)、バナナ・リパブリック(エス
ニック系カジュアル)といったお決まりブランドのチェーン店が作り物の街並
みに軒を並べ、その街路に立っていても、自分がフェニックスにいるのか、フ
ィラデルフィアにいるのか、さっぱり分からないほどです。
サンフランシスコのダウンタウンでは、GAP社の搾取労働依存体質と、それ
に同社のCEO(最高経営責任者)が所有するメンドシノ岬の年輪を重ねたセコ
イヤ林の皆伐とに抗議するボイコット運動が盛んですが、このモールには、ま
だ登場していません。それでも、開業当日に、国際インディアン協定評議会の
活動家たちが墓所冒涜(ぼうとく)に抗議するチラシを配りました。墓所といえ
ば、エメリーヴィル市当局は、遺跡現地を保護する代わりに、遺跡情報ウェブ
サイトを開設しました。まるで失われた遺跡がサイバースペースに引っ越して
しまったかのようです。モールはきわだって現代的なスポットであり、どこに
もない場所から商品が配送されてくるかのような、どこであってもよいような
スペースになっています。
エンゲルスは、著書『英国における労働者階級の状態』において、日常雑貨―
―陶磁器、鉄製品、ガラス製品、特に綿製品――の生産の背後に潜む犯罪性を
列挙しています。同書執筆の時点は、"もの"の沈黙が始まった時期にあたり、
エンゲルスが問題を提起したものは、GAPボイコット運動の活動家たちが糾
弾しているのと同じ状況なのです。私たちが商品に読み取っている新しい産業
の言葉を、彼も読んでいました。彼が耳にしていたのは、レース製造に従事し
た結果、肢体変形と視力喪失に陥った子どもたちについてであり、あるいはま
た平均寿命が35才である刃物研磨工たちについてでしたが、私たちも、現代
の奴隷労働、囚人労働、年少者労働について、同じような話を聞いているので
す。こういう産業の物語は、いつでも環境の物語――工場廃液、綿栽培に使う
化学物質、伐採業、石油化学工業の話――でもあるのです。
高度産業化社会においては、すべての商品が、あまりにも遠い場所で、あまり
にも複雑な工程をへて生産されるので、その全体像は直感的に知りようもない
のであり、商品はいつしか口を閉ざしてしまうのです。あるいは、商品は口を
塞がれていると言ってもよいでしょう。なぜなら、すべてが安価に提供される
潤沢さの喜びは、製造の陰に隠された犠牲と浪費について、これらの商品が黙
して語らないからこそ可能になるからです。
現代広告――特にナイキが代表する広告手法――は、商品の意味をその製造従
事者から引き剥がして、別のものに置き換えるという強引な企てを採用してい
ます。ナイキの靴を購入する消費者は、(製造原産国)ベトナムの痩せこけたテ
ィーンエイジャーたちとの繋がりではなく、(ナイキとコマーシャル契約した)
背がとても高い運動選手たちとの繋がりを結んだような気になるのです。ビク
トリアズ・シークレット社ブランド、ラベンダー色のレース生地ボーイカット・
パンティを熱い目で眺める顧客にとって、メキシコの囚人労働に思いを巡らす
のは、とてもできるものではありません。
金鉱採掘のために汲み上げられた地下水で、自分の家系の墓所が水浸しにされ
た憂き目に遭った、西部ショショーニ民族の牧畜業者で土地所有権運動家のキ
ャリー・ダンが、金装身具を購入する誰もが、精錬の後に残る鉱滓(こうし)の
重量比例分を自宅配達で受け取るべきであると、私に語ったことがあります。
ネバダでの精錬歩留まりに当てはめれば、1オンスの金の指輪、またはチェー
ンを購入すると、有毒の選鉱屑1トンを引き取る計算になります。
商品は素敵です。その物語はひどいものです。だから、疎外され、絶対的に無
意味な世界を選ぶか、それとも大変な要求を突きつけてくる世界を選ぶしかな
いのです。たいていの消費者は、面倒よりも、無意味のほうがましだと考える
ので、商品の沈黙を好むのです。
商品の来歴を語ることは、不愉快な情報を伝えることなのです。活動家たちを
シナイ山から下りてくる預言者モーゼになぞらえてみましょう。海老を食べる
なかれ、イチゴを食べるなかれ(臭化メチル、過重労働)、金細工で装うなかれ
云々(うんぬん)と、立て続けに4万もの戒律をレビ記に刻むのです。だからこ
そ、自称消費者にとって、過激派と環境論者たちは敬して遠ざけるべき存在な
のです。
たぶん、現実に問われているのは、どのような素材、"もの"、商品なら、人が
うんざりしたり、そっぽを向かせたりしないような物語を語ってくれるかなの
でしょう。ここ50年ほどの現象では、芸術作品の制作課程がこのような物語
のテーマの一部をなし、この技が象徴的な役割を果たし、他の"もの"すべての
沈黙を埋め合わせてくれているのです。でも、人は芸術のみにて生きるにあら
ずです。自然の糧、自家菜園の恵み、友だちからの贈り物があり、発掘され、
ノミの市で売りに出された骨董品、ご先祖さまからの家財、お下がりの品、地
場工芸品もあり、生産組合保証ラベル付きの産品もいくつかはあります。それ
はともかく、ペイレスとかウォルマートといったスーパーマーケットからまっ
たく無縁でいるのは困難です。自慢の物語――ファンシーな通りにシャレた店
を構えた、通好みの穴場でしか買えないような値の張る有機野菜、放し飼いの
鶏卵、日覆いをかけて慈しんだ食品といった品々のお話し――は一種の贅沢な
のでありましょう。
ファーマーズ・マーケット(農民市)は雨後の筍のように流行(はや)っています
が、これなども言葉を持った品々との出会いの場なのです。なぜなら、並べら
れた産品の生産者の顔が見えますし、すぐ近辺の農地で栽培された農産物であ
ることが分かるからです。この新しい経済活動は、物語性と人との繋がりとに
よって心を養いたいと願う人たちを満足してくれますし、成長もしています。
ファーマーズ・マーケットと言っても、なかには少しばかりの豆類やラズベ
リーが宝石のような値付けで陳列されたブティックみたいなのものもあります。
でも、私の行きつけは、ハート・オブ・ザ・シティという呼び名の、多民族共生
社会さながらの大衆マーケットなのです。そこでは、有機栽培のものであって
も、食品類はとても安価に売られていますし、常連の顔触れが揃っていて、そ
れにはホームレスの面々も含まれています。どっちみち、ホームレスはいつも
ダウンタウンの広場でブラブラしているのですが…。また、近在の貧乏人を締
め出すスーパーマーケットの代わりに市を利用する地元の人びともいます。
こうしたマーケットで、バラ栽培農民の手に刺の引っ掻き傷を見かけることは
――この街には雪が降らないのに、水道水はすべてシエラ山系の雪融け水に頼
っているのだと理解するのと同じぐらい――私たちが生きている世界は何によ
ってできているかを知るための大きな一歩になるのです。
私にとって、ショッピング・モールがうんざりするのは、その沈黙――現代世
界で、私たちがたいがいの時間を過ごす沈黙――のせいなのです。私にとって、
元気の素は、人びとが物言わぬ"もの"の来歴を学び、今も歌っている"もの"を
選ぶ、その姿を見ることなのです。
-------------------------------------------------------------
[原文]
From the Faraway Nearby
Rebecca Solnit
THE SILENCE OF THE LAMBSWOOL CARDIGANS
This article first appeared on OrionOnline.org, the website of Orion
magazine.
The article can be viewed in its original illustrated format at
http://www.oriononline.org/pages/om/03-4om/Solnit.html
Copyright 2003 The Orion Society.
(著者レベッカ・ソルニットによりTUP翻訳・配信許諾済み)
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翻訳 井上 利男 / TUPスタッフ
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| 159 |
投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月14日(木)
午前2時09分
タイトル: TUP速報157号 03年8月14日 イラク関連ビデオのお知らせ
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ビデオ「イラク戦争の真実」が完成しました。
ヒューマンシールドとしてイラクに入って取材を進めた志葉玲さん
フリージャーナリストの橋田信介さん
ビデオアクトの小林アツシさん
日本電波ニュース社のイラク取材班
などの貴重な映像で構成しました。
また、ブッシュドクトリンを始めとするアメリカの資料から、アメリカの戦争
の目的も浮き彫りにしています。
企画・監修:日本平和委員会
制作:(株)日本電波ニュース社
VHS25分 価格:5000円
申し込みは日本電波ニュース社立山までメールでにて。
tate-ndn@d...
《詳細》
イラク戦争の真実
〜被害の実相とアメリカの戦略〜
■イラク市民の被害
クラスター爆弾で両手を奪われ痛さにうめく男の子、視力を奪われた男性、バ
ンカーバスターで家族を失った人々・・・イラク戦争では6000人を越える
市民が犠牲になりました。そして戦後も続く劣化ウランによる放射能の恐怖。
戦禍のイラクを取材したジャーナリスト達が、被害の実相を伝えます。
■アメリカの戦略
なぜこの乱暴な侵略戦争を強行したのでしょうか。大量破壊兵器は見つからず、
フセイン政権崩壊が目的だったことが明らかになっています。政権転覆を目的
として先制攻撃を合理化した初めての戦争。ブッシュ以前からネオコンと呼ば
れる人々によって周到に準備されてきたその戦略を、アメリカの資料を紹介し
ながら解き明かしていきます。
■国際社会と反対運動
結局、国連はアメリカにイラク攻撃のお墨付きを与えませんでした。戦争は行
なわれてしまいましたが、第二次世界大戦後はじめて、国連がアメリカの手を
縛ったのです。そして、それを支えたのが世界を巡った空前の反戦運動でした。
この歴史的な出来事をしっかり記録します。
■日本の進路
日本は一貫してアメリカを支持し続けただけでなく、出撃基地となりアメリカ
を支えてきたました。そして戦争終結後は、有事法制、イラク特措法と急速に
アメリカと一緒に戦争が出来る国家に突き進んでいます。それに対して労働組
合や平和団体だけでなく、多くの個人が、若者が平和を求める声を上げ、大き
な輪が広がりつつあります。世界の未来にも重要な役割を果す日本の進路を探
ります。
■撮影
志葉玲 (フリージャーナリスト)
鈴木幸男 (フリーカメラマン)
小林アツシ (ビデオアクト)
杉本祐一 (フリーカメラマン)
島直紀 (日本電波ニュース社 記者)
島田陽磨 (日本電波ニュース社 記者)
真々田弘 (日本電波ニュース社)
柳瀬真保 (ビデオアクト)
中原想吉 (ビデオアクト)
伊藤孝司 (フリーカメラマン)
遠藤大輔 (ビデオジャーナリストユニオン)
土屋トカチ (ビデオアクト)
馬場朋子 (ビデオアクト)
松原 明 (ビデオプレス)
■協力
国連広報センター
橋田信介(フリージャーナリスト)
相澤恭行(ヒューマンシールド)
ビデオアクト
ビデオプレス
マブイ・シネコープ
しんぶん赤旗写真部
佐藤光雄(日本平和委員会)
==========================
立山勝憲 TATEYAMA Katsunori
090-8806-7821
tate-ndn@d...
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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月14日(木)
午前2時09分
タイトル: TUP速報159号 03年8月14日 グローバリゼーションの「失われた10年
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不安定な世界の背景には、世界をおおう経済的格差と政策的不平等とがある。
紛争、内戦、テロ、戦争の温床である差別構造を維持・拡大しているマクロ経
済の現状をマーク・エングラーが簡潔に報告する。
TUP 井上 利男
=============================================================
グローバリゼーションの「失われた10年」――
ワシントン政府が推進してきた"自由貿易と開発"モデルは、クリントン政権時
代に貧困諸国の期待を裏切り、現ブッシュ政権下でも貧しい人びとを見捨てて
いる。
――マーク・エングラー
デモクラシー・アップライジング・サイト
2003年8月7日
--------------------------------------------------------------
ビル・クリントンの時代から過激分子ジョージ・W・ブッシュの現在までを見渡
せば、いくつかの点、とりわけ世界でもっとも貧しい諸国に対する政策におい
て、このふたりの大統領には共通項がある。両首脳とも、「自由貿易」と企業活
動のグローバル化(世界規模化)を賞揚した。その過程において、両者とも、発
展途上諸国経済にとって災禍としか言えない政策を強行した。
先日7月8日に公表された国連開発計画(UNDP)の年次刊行物、人間開発報
告は、イギリスのガーディアン紙が「失われた10年」と表現する現状を明かし
ている。1990年代の経済繁栄期に、アメリカ通商代表部と国際通貨基金
(IMF)は、企業活動グローバル化の進展が上げ潮となって、すべての国の経
済浮揚につながると約束した。現実には、その10年の間にかえって貧困が深
刻化した諸国は、54ヶ国にもおよんだ。
国民の大半が1日1ドル以下の収入で暮らし、あるいは平均寿命がアメリカの
それの半分以下である地域では、このような経済の落込みは深刻な結果を招く
ことになる。
世界的な貧困は痛ましいが、貧しい国の人びとは自らの責任を問わなければな
らないとアメリカ国民は思いこみがちである。たしかに、発展途上諸国に腐敗
構造、不適切な経済運営、日和見政治といった惨状がないわけではない。だが、
富裕諸国が推進する開発政策が(貧しい国々にとって)利益になるよりも、はる
かに多大な災いになったことは、国連開発計画報告などの公文書でも明らかで
ある。
IMFと世界銀行は、「ワシントン合意」の名で知られる政策にもとづいて、ど
の国に対しても「構造調整」という束縛を機械的に押しつけた。しばしば、富裕
諸国は資金不足に苦しむ諸国への融資に自国に都合のよい条件を付ける。IM
Fは「市場自由化」を強制し、貧困諸国の国内市場を欧米企業に解放する。経済
救済策には財政緊縮条件が付けられることが多く、発展途上諸国の医療・教
育・基盤整備支出の削減を強制することになる。
加えて、貧困諸国には、国家予算規模に比べて過分な北側諸国への債務支払い
の重圧がのしかかっている。ジュビリー・リサーチなどの債務救済を訴えるN
GO連合が主張してきたように、こうした債務の多くは、独裁者の私的蓄財に
流れた借金の尻拭いの類であり、「公序良俗に反する」ものである。多くの場合、
世界市場を制する武器商人でもある富裕諸国が売却した兵器のために資金が注
ぎ込まれた。1990年代中頃に公表された報告によれば、その年代前半期に
おいて、アメリカから発展途上諸国への武器輸出のうち、84パーセントが非
民主的な政権向けのものであったという、おぞましい傾向があった。
国民が暴君を追放しても、過去の政権の巨額債務が残され、新しい社会の構築
を阻害する重たい足枷になる。返済義務の不当さこそが、イラク債務救済をま
さしくブッシュ政権が唱導する理由である。残念ながら、再建支援の手を差し
伸べても、ホワイトハウスを利する、目に見えるPR効果がさほど期待できな
い国々に、この類の慈悲心が示されることはない。
破滅的な貧窮地帯であるにもかかわらず、サハラ以南アフリカの諸国政府から
北側への支払勘定は、先進諸国からの受取勘定よりも大きいと、経済学者マー
ク・ワイズブロットが指摘した。この地域での国際収支はざっと120億ドル
の出超(赤字)であり、その多くは債務償還に負っている。
結局、「自由貿易」と言っても、発展途上国にとっては、自由を意味するもので
はない。農業助成金の増額と鉄鋼製品関税の引き上げという、ブッシュ政権の
最近の決定に眉をひそめる者ならば、他の諸国を犠牲にして、特定の国々を利
するように、企業活動グローバル化の経済学が絶妙に調整されていることを知
っている。
最悪の1990年代を潜り抜けてきた国々の多くでは、AIDS危機が苦境の
重大要因であった。また、経済不振と景気の落込みに直面した他の国々の多く
では、「構造調整」が破滅への道を切り開いた。ワイズブロットの見立てでは、
90年代に実質的な発展を達成した「勝者」は、IMF勧告を平然と無視した諸
国だった。10年間のうちに貧困を実質的に克服したと人間開発報告がお墨付
きを与えた中国とインドは、世界でもっとも手厚い国内経済保護政策を維持す
る国々である。
ブッシュ政権は、最新版の国家安全保障戦略において、「国家的成功のための
維持可能な唯一のモデル」があると宣言した。だが私たちとしては、「唯一のモ
デル」ではなく、偽りのないデモクラシーと自己決定――外国の金融機関に対
してではなく、自国民に対して説明責任を果たす発展途上諸国の経済モデル―
―が必要なのだ。国連開発計画長官マーク・マロック・ブラウンは、ワシントン
合意に対する「ゲリラ攻撃」が必要だと、紛れのない言葉で語った。
新しい国際経済システムは新しいタイプのグローバル化にもとづくものになる
だろう。
10年が失ったものが何であれ、1990年代には目覚しい進展も見られた。
構造調整などの政策を糾弾する活動家たちは地球規模で連帯した。アメリカで
は、人びとは海外の状況と国内の不平等とがつながっていることに気付き始め
た。工場人員「削減」の憂き目にあった労働組合員たちは、危険な労働環境と劣
悪低賃金にあえぐメキシコの労働者たちと手を結んだ。カリフォルニアの有権
者たちは、同州の有毒ガス添加物MTBE(メチル第3ブチルエーテル)禁止条
項が不公正な貿易障壁であるとして槍玉にあげられるのを見て、国際的なNG
O連合が言う環境「底突き競争」の意味をこれまでにない明晰さで悟った。19
90年代末期には、発言権を要求する大衆的な抗議団体を退けるための警察の
大機動部隊なしには、IMFは会議を開くこともできなくなった。
今日、抗議の群集に加わる開発専門家たちがますます増えつつある。その動機
は明確である――1980年では、アメリカの平均的なCEO(最高経営責任
者)は労働者42人分の収入を得ていたが、2001年では、CEOは411
人分を稼いでいる。世界規模で見れば、格差は極端に拡大し、世界の最富裕層
1パーセントが最貧層57パーセントと同額の金を稼いでいる。
地球規模の格差がクリントン政権下で進展し、ブッシュ政権下でさらに拡大し
ている。次の10年を違ったものにするためには、新しいグローバル化を求め
る声を地球上広く届けなければならない。
-------------------------------------------------------------
筆者=マーク・エングラー、フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス(焦点の対
外政策)解説委員、デモクラシー・アップライジング・サイト主宰
連絡先: http://www.DemocracyUprising.com.
取材協力=ケィティ・グリフィス
---------------------------------------------------------------
[原文]
Globalization's "Lost Decade", by Mark Engler
http://www.democracyuprising.com./articles/2003/lost_decade.php
Copyright (C) 2003 Mark Engler
(著作権者マーク・エングラーよりTUP配信許諾済み)
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翻訳 井上 利男 / TUPスタッフ
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| 161 |
投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月17日(日)
午後2時36分
タイトル: TUP速報160号 03年8月17日 要人に求められる知性?
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| |
!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!!?!?!?
45分以内に実戦使用可能な大量破壊兵器だとか、ニジェールからのウラン輸
入だとか、出所不明瞭な情報が錯綜していますが、またまた出所不明、真贋不
明の情報が漏出し、さる筋から伝わってきました。この件は、英米両国議会も
メディアもさほど注目していないようです。
TUP 井上 利男
!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!!?!?!?
非機密情報――『要人に求められる知性』
----------------------------------------------------------
英国訪問中のジョージ・ブッシュは、女王陛下ご臨席のお茶に招かれた。ブッ
シュは女王に帝王哲学の要諦をお訊ねした。女王は、指導力を確保する秘訣は、
知性ある人材を取り巻きにすることであるとお答えになった。陛下はいかにし
て人の知性をお見分けになるのでありますかと、ブッシュは重ねて訊ねた。
「私には、人を試すのにうってつけの質問の用意があります」と、女王は答え
た。
「実際にお見せしましょう」 女王はトニー・ブレアに電話して、「首相閣下、
私の質問にお答えなさい」と言った。
「あなたの母上にはお子さんがいます。あなたの父上にもお子さんがいます。
このお子さんはあなたの兄弟でも姉妹でもありません。では、このお子さんは
誰でしょう」
トニー・ブレアが答えた。「その子は私です、女王陛下」
「ご名答。ありがとうございます。それでは、ごきげんよう、閣下」 女王は受
話器を置いて、「これでお分かりですわね。大統領閣下」
「ええ、女王陛下。ありがとうございます。これから私もそのテクニックを使
わせてもらいます」
ワシントンに帰任したブッシュは、上院外交委員長を試さねばと思い至り、ジ
ェシー・ヘルムズを呼びつけた。
「君は私の質問に答えられるかね」
「もちろん、お答えしますとも。なんでしょうか」と、ジェシーは言った。
「エー、君の母上は子どもがいる。父上にも子どもがいる。この子は君の兄弟
でも姉妹でもない。この子は誰かね」
ヘルムズは口ごもっていたが、やがて、「どうか、時間をください」と願い出
た。
ブッシュが頷(うなず)いたので、ヘルムズは退出した。ただちにヘルムズは共
和党の上院長老議員たちを招集した。頭を寄せ合い数時間、知恵を絞ったが、
答が出せる者はいなかった。
弱り果てたヘルムズは、国務省のコリン・パウエルに電話して、問題を説明し
た。
「いいかい、お若いの。君の母上には子どもがいる。父上にも子どもがいる。
この子は君の兄弟でもなければ、姉妹でもない。この子は誰だ」
パウエルは即座に答えた。「バカだなあ。私に決まってるじゃないか」
安心したヘルムズは、大急ぎでホワイトハウスに取って返し、「閣下、判明い
たしました。あの子はコリン・パウエルでした」と大声で言った。
ブッシュは呆れ顔で「違うぞ、バカ者。答はトニー・ブレアだ」と言った。
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UNCLASSIFIED:-Intelligence -
原文: 出所不祥
作者: 不祥
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翻訳者 不祥
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TUP速報
菅原 秀 Schu Sugawara
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| 162 |
投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月19日(火)
午前3時40分
タイトル: TUP速報161号 03年8月19日 アメリカが第二次朝鮮戦争を求める理由
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アメリカのタカ派が対北朝鮮の全面戦争に向けて世論を煽っています。
どうしたら平和な世の中を実現できるかを考える際に、戦争を推進する人
たちの論理を知ることは重要なので、抄訳にまとめました。
(五頭 美知/TUPメンバー)
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アメリカが第二次朝鮮戦争を求める理由
R・ジェームズ・ウールジー、トーマス・G・マキナニー
ウォールストリート・ジャーナル(インターネット版)
2003年8月4日
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米政府は先週、北朝鮮が米・中・露・韓・日との6カ国協議に応じること
を発表した。これは喜ばしいことだが、金正日総書記はこれまでも国際協
議の場でウソをついたことが明らかであり、根本的には何も変わらない。
もっと重大なのは、今夏の一連の動き全体だ。
7月初旬、核兵器用プルトニウム抽出のために使用済み核燃料を再処理し
た時に発生するクリプトン85が検出された。これは寧辺にある既知の施設
以外から放出された可能性がある。北朝鮮には何千もの地下施設があり、
隠された再処理施設があったとしても驚かない。だが、北朝鮮が核査察官
を追放して核拡散防止条約からの脱退を表明して以来、もし寧辺の施設か
ら取り出した使用済み燃料棒8,000本の再処理をひそかに終えたならば、
金正日はこれまでに有しているとみられる核兵器1−2個分の原料に加
え、さらに数個の兵器製造に十分な原料を得ているかもしれない。
もしクリプトンが寧辺の既知施設から放出されたものだけだとしても、こ
れから数カ月で核兵器数個分のプルトニウムの抽出が終わる可能性はあ
る。北朝鮮政府は、1994年の米朝枠組合意に違反してウラン濃縮計画を進
め、4月には兵器用のプルトニウムを自分たちが望む相手(ならず者国家
か、それともテロ集団か?)に売ると豪語した。これにより世界がこの問
題の対応に与えられた時間は、明らかに数週間か、せいぜい数カ月だ。
このような核物質の輸出は、輸送禁止命令のような政策では止められな
い。現在北朝鮮の主要輸出品は弾道ミサイルと違法薬物で、そのどちらも
が秘密裡に取引されている。ウィリアム・ペリー元国防長官が最近指摘し
たように、核兵器1個に必要なプルトニウムは、サッカーボール大だ。北
朝鮮は輸出する際、外交特権で保護されたような空輸も用いうる。
北朝鮮が明らかに核保有国になる前にこの危機を平和的に解決できる唯一
の可能性は、中国が断固として動くことにある。北朝鮮は中国からの燃料
や食料に頼っているため、中国は相当な経済的影響力を持つ。実のとこ
ろ、北朝鮮の政権交代を強固かつ緊急に求める方法は、その中国の影響力
を使う以外にないと思われる。
中国をこのように動かすものは何か。北朝鮮の核の脅威が増せば、韓国、
日本、そしておそらく台湾は核武装を避けがたくなり、アジアの新たな核
保有国が4カ国生まれる危険性がある。また、北朝鮮の長距離弾道ミサイ
ル計画や、核物質をテロリストに売る懸念は、アメリカの直接的な安全保
障問題になる。
武力行使を寧辺の施設に対する局地的な攻撃に限定するのは、実情にそぐ
わない。他の場所にもプルトニウム再処理施設やウラン濃縮施設、さらに
秘密のプルトニウムも存在する可能性があるからだ。さらに、韓国の防衛
も必要だ(特に非武装地帯北に位置する北朝鮮砲兵隊からソウルは射程圏
内にある)。つまり、われわれは攻撃の準備ではなく、戦争に勝つ準備を
しなければならない。米軍と韓国軍は、半世紀近くをかけ準備万端だ。北
朝鮮の砲兵隊におびえることはない。北朝鮮の保有する1万1000以上の大
砲のうち、約半分がソウルに向けて配備されているが、そのすべてがステ
ルス機や精密誘導兵器に対して脆弱なのだ。
大規模な空軍の投入は、寧辺を破壊し韓国をミサイルと大砲から守るうえ
で重要だ。韓国には近代的戦闘機約550機の優れた空軍があり、利用可能
な空軍基地も相当数ある。アメリカは、今すぐパトリオットミサイルと
イージス艦を韓国と日本に配置し、戦術航空部隊を補強する計画を展開す
べきだ。放射能漏れを最小限に抑えるような、精密兵器を搭載したステル
ス機と巡航ミサイルも不可欠だ。
北朝鮮の場合とくに重要なのは、この地域は基地基盤が整備されている
うえ、洋上からの攻撃も容易であることから、1日の出撃回数はイラクの
800回に対し約4,000回が可能であることだ。この大部分で精密誘導兵器が
使用できることと、偵察機により火砲と弾道ミサイル発射場を直接狙える
ことを考えると、空軍力の使用により、イラク戦争よりも迅速かつ圧倒的
な打撃を加えることができるだろう。戦闘機とミサイルを用いた北朝鮮の
古くさい防空技術では、長くは持たない。北朝鮮の両岸に配備された米海
軍は、平壌をすぐに制圧できるだろう。現在動員されている陸軍33個旅団
の20個以上で、予備役や州軍を追加動員する必要がある。また、米軍の中
で最大の即応能力を有する空母戦闘団や遠征空軍のほとんどが、今やイラ
ク戦争での役割を終えている。
韓国陸軍は、米軍の支援を受けて北朝鮮への反撃を行う体制が整ってい
る。アメリカと韓国は30−60日のうちに北朝鮮に勝てると、われわれは判
断している。マイヤーズ米統合参謀本部議長が7月26日の上院公聴会で話
したように、「成果に疑いの余地はない」。
残念ながら、北朝鮮に対する武力行使に世論が反射的な拒否反応を示して
いるために、アメリカの対外的な力が弱体化し始めている。われわれも朝
鮮半島で軍事力を用いることを望んではいない。この危機を戦争以外の方
法で解決する方がよい。しかし、もし中国が北朝鮮の核兵器開発を終わら
せること(そのためには北朝鮮の政権交代が必要)ができなければ、北朝
鮮の核計画は「アメリカの都市で核兵器が爆発する差し迫った脅威を与
え」(ペリー長官)、アメリカ国民の生命が危険にさらされるのだ。
われわれは、この選択肢に直面している状況を好むわけではない。だが、
否認して逃げ隠れすべきではない。
-----------------------------------------------------------------
ウーズリーは、1993−95年にCIA長官を務めた。マキナニーは、退役した
空軍中将で、元参謀本部副議長補であり、現在はFOXニュースの軍事解説
者を務める。
(抄訳 五頭美知/TUP)
原文:
http://online.wsj.com/article_email/0,,SB105995440375645300-H9jeoNjlaV2npusan6Gb6uDm4,00.html
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TUP速報
菅原 秀 Schu Sugawara
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| 163 |
投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月19日(火)
午前3時40分
タイトル: TUP速報162号 03年8月19日 日本女性こそイラクの女性支援の適役だ
|
| |
今回は翻訳でなく、日本語のオリジナルをお送りします。日本人女性にぜひアフ
ガンとイラクの女性を励まして欲しいとのメッセージです。
これは明らかに女性にしかできない仕事ですので、私はただベアテさんのメッセー
ジをお伝えするだけです。
菅原 秀 (TUP翻訳メンバー/ジャーナリスト)
======================================
日本女性こそイラクの女性支援の適役だ
======================================
-----------------------------
大停電の中のニューヨーク行き
-----------------------------
「二〇〇三年ニューヨーク大停電」の八月十四日夜、妻と私は翌日にニューヨー
クを訪れればいいのかどうか、迷っていた。
ニューヨークの郊外、ロングアイランドに住む、日本国憲法の起草者として有
名なベアテ・シロタさん(80)を訪ねる予定だったからだ。
十四日夕方から、カナダから北東アメリカ全体の電話と携帯が通じなくなったの
で、確認しようがない。テレビでは十四日深夜になっても、「列車も、航空機も
、地下鉄も回復の見込みはない。町は全域停電で、電話もまだ回復していない」
という放送を繰り返すだけだった。
ロングアイランドはニューヨーク市内とはいえ、東西に細長い巨大な島で、ベア
テ・シロタさんが住むアマガンセットはその一番東端にある。ニューヨークから
列車で三時間もかかる場所なのだ。
ベアテさんは十年前からこの村に小さな別荘を借りて、夏になるとご主人のジョ
セフ・ゴードンさん(83)、それに孫たちと一緒に数カ月をすごすことにしてい
る。以前は貧乏な画家が住んでいる寒村だったが、今では避暑地となり、ポール
・マッカートニーなどの芸能人が住む村として有名になり、お城のような別荘も
建ち始めている。おかげで、どのホテルも一晩三万円程度と強気だ。心配したベ
アテさんが、知り合いの安い民宿を手配してくれた。
「こうなったら行ってみるしかない」
--------------------------------------
電気のない都会は、昼間でもそら恐ろしい
--------------------------------------
幸い旅行を安く上げようと思って、格安長距離バスのグレイハウンドを予約
していた。列車と飛行機は止まっているが、バスなら確実にニューヨークにいけ
る。そのあとはなんとかなるだろうと、あとのことは考えずに早朝、ワシントン
を発った
。
十時頃にバスがニューヨークに入ると、まさに異常な風景が広がっていた。摩
天楼すべての窓が真暗で、中性子爆弾に直撃されたような世界だった。人は殺す
が建物は破壊しないという恐怖の爆弾だ。
しかし、地上に目を移すと路上には人があふれている。昨夜は一睡もできなかっ
たらしく、ビルの前の階段などでうたたねしている人もいた。しかし、多くの人
は疲れきった顔つきで、おのおのの方向にぞろぞろ移動している。
街角のデリや、レストランは真っ暗だ。それでも人々があふれていて、昨日の
売れ残りのサンドイッチと生ぬるいコーラをのどに流し込んでいる人がたくさん
いた。新聞によると、多くの店が「半額セール」などで、徹夜組にサービスした
ようだ。9・11の記憶を忘れずに人々は助け合っているようだ。今回の大停電で
の直接の死者はひとりしかおらず、十四日夜の犯罪はゼロだったというのは、ニ
ューヨーク人の誇りとして永遠に残るだろう。
人ごみをかき分けながら、ロングアイランド列車の始発駅、ペンシルバニア駅
に向かった。生まれてはじめてのニューヨークで、人ごみの中で何度も何度も道
を尋ねながら、歩いてゆくのだから容易ではない。妻は泣きそうになっている。
ペンシルバニア駅は全体が地下駅だ。構内に入ると出るか出ないかわからない
列車を持つ人々でいっぱいで、ものすごいむし熱さだ。五分も経つと汗だらけだ
。人づてにロングアイランド列車の入り口を探し当てると、入り口に大勢のガー
ドマンがいてロープを張り、汗をかきながら乗客が入り込まないようにブロック
している。ガードマンたちに列車が出るのかどうか聞いてみたが、「一切わから
ない」との返事だけ。
やっとロングアイランド列車の職員を見つけ出すと、「ジャマイカまでの臨時
バスを運行するので、そこまで乗っていって欲しい。アマガンセット?そんな遠
くまでいけるかどうかわからないけど、ジャマイカに行ってから考えてくれ」と
の返事。
職員から指定された場所に行くと、ロングアイランドの西の拠点、ジャマイカ
近辺に住む人々が大勢並んで、バスに乗り込もうとしている。
やっとのことで乗り込んだ人々は、みな疲れきった表情だった。汗だらけのシ
ャツで、座席に座れないものは床に座り込んでいる。乗客は次々に携帯電話を取
り出して自宅に電話をしようとしているが、通じなくてあきらめの表情だ。
通常は三十分程度の距離だというが、マンハッタンまで家族を迎えに来た人た
ちの車のせいだろう。すごい渋滞だ。歩いてマンハッタンを脱出した家族に会え
ずに、泣く泣く手ぶらで帰っている車もたくさんあったに違いない。
バスがジャマイカの駅につくと、親切な駅員がこう案内してくれた。
「幸いディーゼル列車を手配できますので、バビロンまで運行します。そのあと
、次のディーゼルを手配できれば、そこから先も運行します。え、アマガンセッ
ト?何とかなるでしょう。とにかく乗ってみてください。今日は全員無料ですよ
」
------------------------------
中東の女性を心配するベアテさん
------------------------------
バビロンというのが果たしてどこなのかもわからず、私たちは、とまったり
運行したりする列車とバスを乗り継いで、はるか東の端のアマガンセットまで、
十二時間かけてたどりついた。
途中でやっと携帯が通じるようになった。その間、何度通話を試みたことか。
ベアテさんは、とても心配していた。
「まあ、まさかいらっしゃらないと思ったわ。今日はニューヨークから誰も来れ
ないはずなので、民宿もキャンセルしちゃったのよ。でも、安心なさい。うちの
孫たちもニューヨークから来ることができないので、今日は部屋が空いているの
。そこにお泊まりなさい。まあ、アメリカ人の孫たちが来れないのに、外国人の
あなた方が訪ねてくるなんて、すごいわね。とんでもない災難だったわね」
と流暢な日本語の会話で応対してくれた。
かくして、私たちはベアテさんとジョセフさんの奇麗な小さな別荘に泊めてい
ただくはめになった。
ベアテさんの数奇な運命については彼女の自著『1945年のクリスマス』
(柏書房)をご一読いただきたい。
八十歳とは思われないはつらつしたベアテさんは、まぎれもない私たちの憲
法起草に加わり、特に、日本の女性解放に大きな足跡を残した人その人だ。彼女
がGHQの法律担当者とやりあいながら私たちに与えてくれた第二十四条は、家
庭に縛られていた戦前の日本女性を社会に進出させるきっかけを作った。
「日本で講演すると、よく日本国憲法は押しつけだと言われます。私はこう反論
します。米国憲法にもない良いものがたくさん日本国憲法に盛り込まれています
。自分たちですら欲しいものを人に差し上げることを押し付けというのでしょう
かと」
アマガンセットの美しい浜辺を散歩しながら、ベアテさんはアフガニスタンと
イラクの女性に思いをはせていることを熱心に語った。
「アフガニスタンとイラクの女性の立場は、終戦直後の日本女性の立場とまった
く同じです。日本では土井たか子さんのような女性の党首もいますし、女性のニ
ュースキャスターが連日テレビに登場しています。日本の女性が、直接その事実
を伝えてくれたら、どれだけの励みになることでしょう」
ベアテさんは十月十三日から十一月六日までの青年劇場による「真珠の首飾り
」の全国公演に同行する。その際にアフガニスタンとイラクの女性に手を差し伸
べるように、各地で日本女性に呼びかけるそうである。
反アメリカ感情が広がっている今日、アメリカ人が女性に手を差し伸べようとし
ても、かたくなな男たちの手で、「アメリカの押し付けだ」として拒否されるこ
とだろう。当然の権利を中東の女性が手にするために、ベアテさんの経験に基づ
いたアイデアをぜひ生かしたいものである。
アフガニスタンやイラクに外国の男性が訪ねていっても、女性と直接話をするの
は、ほぼ不可能だ。それを行えるのは女性でしかない。戦後の困難を体験した日
本女性こそが、彼女たちの首に巻かれた古い因習を解き放ってやることができる
のではないだろうか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
TUP速報
菅原 秀 Schu Sugawara
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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月21日(木)
午後9時46分
タイトル: TUP速報163号 03年8月21日 ウダイとクサイの亡霊
|
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以下、フィスクの「ウダイとクサイ」続編です。ZNetで見つけました。死体写
真を公開した甲斐もなく、兄弟は殉教者として浸透しつつあるようです。
TUP 藤澤みどり
=================================================================
『ウダイとクサイの亡霊』――フセイン一族の墓所で見た、虐殺と殉教
――ロバート・フィスク
インディペンデント紙 2003年8月6日
----------------------------------------------------------------
ウダイとクサイのフセイン兄弟、それに彼らと一緒に米軍に殺されたクサイの
14才だった息子ムスターファが埋葬された時、彼らすべての墳墓にイラク国
旗が掛けられた。だが、押しかけて来た米兵たちが、国旗で墓を飾る栄誉を少
年だけに許し、兄弟の旗は剥ぎ取ってしまった。だからウダイとクサイの墓に
は追悼の印はなく、米兵たちが軍靴で踏み荒らした跡が残るのみである。
フェラー・シェマリ氏は、無実の殺人の罪に問われ、サダムの異母兄弟の命に
より、10年の刑を受けた経歴があるが、その彼でさえも、墓掘りに加わって
いて、「もちろん、私たちはイラク国旗を3人全員の墓に掛けました。彼らが
殉教者になった印です」と言う。「今、米兵たちはこの場を常時監視しています。
サダムが息子たちに会いに来れば、生け捕りにできると考えているのです。で
も。サダムだって、バカではありません」
サダムの悪名高い息子たちの最期の安息所は、焼け野原、風にそよぐ茂み、シ
ラカンバ林に囲まれた空き地にあり、国民に多大な痛み、苦悩、悲嘆をもたら
した男たちの死後への旅立ちの舞台としては、皮肉にも静けさに満ちた環境で
ある。
「彼らは大統領の子息たちであり、この地は彼の領域です。だから、私たちは
彼らに哀悼を捧げるのです」と、シェマリ氏は言う。「彼らは戦って死んだので、
殉教者になったのです」
サダム一族が支配した悪の国家をシェマリ氏は弁明するが、その口調は奇妙な
ほどに世俗的である。「私が監獄にいた時、外交官たち、知識人たち、学者た
ちに会いました。なんと農業大臣にも会ったのです。サダムが知ってさえいた
ら、そんなことは許さなかったでしょう」
その場から少しばかり離れて、英米侵略軍が犯した別件の虐殺の歴然たる印が
横たわっている。アウジャの村で、4月2日、サダム殺害を狙った米軍が地域
住民2家族の住宅を空爆し、その多くが子どもである合計21人の、罪もない
人びとをバラバラに吹き飛ばしてしまったのである。
戦争中も戦争終結後も、この大虐殺が報告されることはなかった。それでも、
ここに――レーム・モハメッド・アブドラ、享年5才、その妹ラウザ、生後2
ヶ月、幼子たちの母ファトマ、その兄ファエズと彼らの父モハメッド、そして
ジャスミ・モハメッド・チュルキと乳児二人を含む彼の家族――犠牲者たちは
存在する。
「彼らも殉教者なのですから、皆の墓がイラク国旗で飾られます。殉教者は天
国に召されるのだと思います」と、シャミル氏は言う。
では、ウダイはどうだ、と私は訊ねた。「ええ、ウダイも天国へ召されるでし
ょう」と、シェマリ氏は答えた。「イスラム教徒は誰でも、占領軍に対決する者
は偉人なのだと考えます。私は校長でして、子どもたちには、この戦争は古
(いにしえ)のイスラム教徒と偶像崇拝者との戦いのようなものだと教えます」
さて、米兵たちはどこだ、と私は彼に聞いた。「米兵たちはあなたに気付いて
いるでしょう」と、彼は応えた。そのとおりだった。墓地から400メートル
離れた薮と林の陰の待ち伏せ位置にいた歩兵連隊所属兵士たちの分隊が、自動
小銃と2連ライフルを抱え、走り出てきた。
兵たちは、私のへちゃった帽子を見、英国なまりを聞くと、私がサダムである
かどうか確かめるまでもなく、走るのを止め、歩み寄った。だが、殺気立って
いるのまで、止めたわけではなかった。来訪の目的は? 身元証明は? 林の陰
に隠れていたのは、ブラッドレー戦闘車両部隊ともうひとつの中隊だった。
「われわれの存在をご存知でしたか」と、ひとりの軍曹が聞いた。
いるはずだと感じていた、と私は応じた。なぜなら、ウダイとクサイの遺体は
アメリカ人を惹きつけてやまないように思えるからだ。
---------------------------------------------------------------
[原文]
The Ghosts of Uday and Qusay, by Robert Fisk
UK Independent, August 06, 2003
http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?SectionID=15&ItemID=4005
Copyright (C) 2003 Robert Fisk and Independent
================================================================
抄訳 井上 利男 / TUP
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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投稿者:
Schu Sugawara <schu@i...>
Date:
2003年8月21日(木)
午後9時50分
タイトル: TUP速報164号 03年8月21日 誤認事故、故意か、ロイター・カメラマンの死
|
| |
//////////////////////////////////////////////////////////////
ペンは剣より強いことを信じますが、記者は人間なので、銃で撃たれれば死ん
でしまいます。現場にいた同僚や他社の記者達が「事故ではない。わざと撃っ
た」という証言をしているのが気になります。もしそうだとしたら、どういう
意図で、どんな効果を狙っているのか考えてしまいます。
TUP 丸田 由紀子
===============================================================
『誤認事故か、故意の射殺か――ロイター・カメラマンの死』
米民放MSNBCニュースサービス、英紙ガーディアン・オンライン版より再
構成 2003年8月18日
-----------------------------------------------------------------
[バグダッド、8月18日] 月曜日、ビデオ・カメラを対戦車ロケット砲と誤
認した米軍部隊が、ロイターのTVカメラマン、マゼン・ダナ氏(パレスチナ
人・43才)を「偶発的」に殺害したと米軍が認めた。だが、現場にいた報道関
係者たちは、同氏が殺害されるよりも半時間も前から、米兵たちは刑務所付近
にロイター取材陣がいたことに気付いていて、彼が武器を抱えたゲリラでない
ことは分かっていたはずだと、米兵たちの「異常」で不注意な行動を非難した。
現場は刑務所の外であり、日曜日夜、迫撃砲攻撃があり、少なくとも6人のイ
ラク国籍の囚人が死亡し、負傷者も多数出たという米軍発表を受けて、報道陣
多数が集まっていた。ダナ氏の運転手は、「周辺にジャーナリストが大勢いま
した。私たちが報道関係者であると、軍も分かっていました。事故ではありま
せん」と語り、射撃は故意だったと考えている。
フランス2テレビ記者ステファン・ブレトネール氏は、「マゼンを撃った後、銃
口をこちらへ向けました」と証言する。
ダナ氏は、バグダッドの近郊アブ・グライブ刑務所付近で撮影中に、2両の戦
車の米兵たちの発砲により殺された。同氏が死のまぎわに廻していたカメラに
は、向かってくる戦車が映っていた。銃声が6発聞こえた。最初の銃声の後、
カメラは前方に傾き、地面に落ちた。
ロイターの録音技師ナエル・アルショウキ氏は、「(兵たちは)私たちの身分と
任務を知っていた」と語り、さらに、軍の発砲前には、一帯で銃声を聞かなか
ったと証言した。「戦車が先導する車両集団が接近してくると、マゼンは撮影
のために車から降りました。私は彼に続き、彼は数メートル踏み出しました。
戦車の上から、兵が私たちを射撃しました。私は地面に伏せました。マゼンの
声を聞き、彼が叫び、胸を押さえているのを見ました。私は、ジャーナリスト
を殺したぞと、兵に怒鳴りました」
ロイターの最高経営責任者トム・グロサー氏は「完全で包括的な調査」を要求し
た。国境なき記者団も完全な調査を軍に勧告した。ダナ氏は、彼の出身地であ
るヨルダン川西岸地区へブロンでの紛争報道により、2001年11月に「国
際報道の自由賞」をニューヨークのジャーナリスト保護委員会から授与されて
いるが、昨日、同委員会も全面調査を要求する書簡をドナルド・ラムズフェル
ド米国防長官に送った。
ダナ氏の死で、3月20日の開戦以来の報道関係犠牲者は17人を数え、ロイ
ター記者としては2人目の米軍による殺害である。
ダナ氏の死によって、米兵たちの『射撃第一、詰問第二』戦術に改めて注目が
向けられた。おびただしい数の民間人が、道路を封鎖している米軍に、多くは
警告もなしに殺されている。むやみな発砲が、米国主導連合軍へのイラク国民
の信頼を損なっている。
米陸軍報道官ガイ・シールド大佐は、「昨夜、ひどい悲劇を体験した。発砲した
兵士以上に気落ちしている者はいないと請け合う」と言った。
ドナの同僚アルショウキ氏は、「彼はその夜かぎりでバグダッドを離れ、姪の
結婚式に出席するために、(隣国ヨルダンの首都)アンマンで妻子に会うことに
なっていました」と語った。
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[原文]
MSNBCニュース・サービス
U.S.: Troops killed reporter in‘tragic incident’
http://www.msnbc.com/news/951994.asp?0bl=-0
ガーディアン・オンライン
US troops 'crazy' in killing of cameraman
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1021592,00.html
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抄訳・構成 井上 利男 / TUP
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