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投稿者: minami hisashi <liangr@s...> Date: 2004年1月31日(土) 午前8時19分
タイトル: [TUP速報]247号 失敗に終わったブッシュのメキシコ訪問 2004年1月31日
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メキシコで開催された米州機構(OAS)特別首脳会議は、1月13日、宣言に
米州 自由貿易圏(FTAA)交渉の推進を謳って閉幕しましたが、具体的な交渉
は実 質的に失敗に終わったようです。
背景には、アメリカが主導してきた貿易自由化路線に対するラテンアメリカ諸
国の反発――ひいては世界貿易機構(WTO)交渉の行き詰まりに見られる先進
諸国と第三世界の対立――がありますが、本稿でマーク・エングラーは、地下
に潜む第3のプレーヤーとして、10年前の1月1日、メキシコの極貧地帯チ
アパスで蜂起し、今も闘いつづけている山地マヤ族のゲリラ集団の役割に着目
します。
古代ローマ帝国の衰退の兆しは、版図周辺部に現れた蛮族たちの蜂起に見られ
たと文明史家は語ります。「現代の蛮族」である彼らサパティスタ民族解放軍
は、 世界の反グローバル化運動の象徴的存在になっているそうです。
TUP 井上 利男
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『失敗に終わったブッシュのメキシコ訪問』
時あたかもサパティスタ蜂起の10周年、ブッシュ大統領は手に負えないラテ
ンアメリカに向き合うことになった。
――マーク・エングラー トムペイン・コム、2004年1月16日
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10年前の1月、メキシコのなかでも極貧地帯であるチアパス州の山地から覆
面の反逆者たちが現れ、世界の表舞台に登場した。彼らサパティスタ民族解放
軍は、未完に終わった(20世紀初頭の)メキシコ革命の使命を継承し、土地改
革の推進と民主的な自由の実現を要求した。彼らは、自らの闘争をグローバル
化の時代にも位置づけていた。サパティスタは、北米自由貿易協定(NAFT
A)の発効日1994年1月1日を蜂起の日に選び、「ヤ・バスタ!」――もう、
たくさんだと宣言した。
先日、ブッシュ大統領が第4回米州サミット開催地メキシコ・モンテレイに向
かった時、彼の脳裏には、チアパスの反逆者たちのことなど毛頭なかった。近
年の通商摩擦と、米政権が無理強いしたイラク戦協力要求とが絡み合って、米
政府とラテンアメリカ諸国との間に張り詰めた緊張が尾をひいたままであり、
これを解きほぐしたいという願いで頭がいっぱいだったのだ。
それにしても今回のメキシコ訪問がサパティスタ蜂起10周年に重なるとは、
いかにも縁起が悪かった。ブッシュは同盟諸国の懇親会に暖かく迎えられたわ
けではなかった。彼は手におえないラテンアメリカに向き合う羽目になり、新
大陸に自由貿易圏を設ける米政権の構想は、実現がこれまでになく遠のいたよ
うに思われた。
モンテレイでは、何回かカメラの前で首脳たちが満面の笑みを見せもした。サ
ミット閉会にあたって、米州自由貿易圏支持の文言が盛られた宣言も採択され
た。だが、会議の裏側では、緊張がふつふつと煮え続け、時に沸騰し、表面に
噴き出した。
各国首脳の演説は大々的に報道された――
ブラジルのルラ・ダ・シルヴァ大統領は、「いわゆる失われた10年になった
80年代に続いて、90年代は絶望の10年であり」、このような状況を招い
たのは、「経済を社会から不当に切り離し、安定と成長とを相容れないものと
し、責任と公正とを分断してしまった歪んだ原則」であると説いた。
アルゼンチンのネストル・キルチネル大統領は、「深刻な不均衡の解消に役立た
ない協定は、われわれの経済に巣食う不正を助長し、崩壊を招くだけである」
と警告した。
ベネズエラのウゴ・チャベス大統領は、「貧しさ極まる人びとに寄り添う、新
しい道徳体系」をラテンアメリカに築かなければならないと訴えた。
政治家の弁舌を鵜呑みにして、姿勢を過大評価するのは禁物である。しょせん、
言葉に金はかからない。だが、ラテンアメリカの「ニューレフト」たちは、もっ
ぱら外交儀礼だけの議論で終わらなかった。米州自由貿易圏発足の具体的な日
程をサミット共同宣言に"盛り込まない"ことこそが彼らの目標だったが、これ
に成功した。彼らは一致して自由貿易協定に異議を唱え、その実現の芽を摘む
という勝算をつかんだ。
今回の米州サミットに先立つ10年の間にラテンアメリカで変化したものがひ
とつあったとすれば、それは、アメリカが号令する「自由貿易」推進政策には、
議論を挟む余地もないし、制止する術もないという固定観念である。
サパティスタはそういうタイミングで登場した。多くの人たちが指摘している
ように、近年の経済グローバル化反対運動が産声を上げた時期に、その後の展
開を決定づける弾みを与えたのが、チアパスの叛乱だった。
サパティスタはメキシコ陸軍に敵対して蜂起したが、国家権力の奪取を目指さ
なかった。他者に教条的なイデオロギーを押し付けなかった。その代わり、世
界を均質・単一文化で塗りつぶすグローバル化に抗(あらが)って闘った。彼ら
の要求は、「多数の世界が調和する世界」だった。
オルタナティブな「多数の世界」を現実の存在として国際経済の枠組みの中に位
置づけてもよいとする意見は、アメリカのメディアに慣れきった人びとには異
質に思えるかもしれない。ハイテク時代へいたる道である「グローバル化」は、
喜ばしくもあり、避けるわけにはいかず、これを実現できるのは、米国債、国
際通貨基金(IMF)、世界銀行が促してきた、金融自由化の推進および企業活
動の拡大を目指す政策だけであると、アメリカ国民は軽がるしく信じてきた。
ところがラテンアメリカでは、その同じ政策が「ネオリベラリズム(新自由主
義)」と名指しされ、たいてい発展途上国に法外な犠牲を押し付け、多国籍企業
の利益を図る特殊な立場に迎合する政治選択であると理解されている。
チアパスのゲリラたちは左翼政権樹立を視野に入れた政治組織論を備えている
わけではなかった。だが、彼らのサパティスモ哲学は国際反政府運動に大きな
影響を与えた。社会運動ネットワークに広く新自由主義批判を吹き込み、ある
いは別の形のグローバル化が主流でありうるという希望を醸成した功績におい
て、サパティスタ運動を超えるものはほとんど見当たらない。
過去を振り返れば、北米自由貿易協定が発足してからの早い時期に、体制は絶
頂期を迎え、現在は下り坂にある。カンクン、マイアミで相次いで行われた最
近の多国間貿易交渉の結果は、アメリカの貿易至上論者たちに苦い失望を残し
ただけである。開発政策において支配的な国際通貨基金の姿勢に見切りをつけ
る主流派エコノミストたちの数が増えている。
もちろん、「地球規模の公正さを求める」運動だけが、「ワシントン合意」を切
り 崩す唯一の主体でも、唯一の主導者でもない。新自由主義者たち自身が自ら
の 失敗の結果に気づいているのだ。
「経済政策研究センター」のマーク・ワイスブロットがいつも指摘しているよう
に、銀行家たちにお馴染みの分野、すなわち経済成長に話を限っても、ふん
ぞり返った権威者たちの成績は良くなかった。1960年から79年にかけて
の20年間で、中南米諸国の1人当たり所得の伸び率は80パーセントだった
のに比べて、ラテンアメリカで新自由主義原則が君臨していた1980年から
1999年にかけての20年間では、たった11パーセントの伸び率だった。
さらに言えば、新自由主義者の差し出口が、アルゼンチン、ボリビアといった
地域を厳しい経済・社会危機に突き落としたのであり、中道右派政権でさえも
が、ワシントンからの提案よりも上等な開発計画はないものかと思い悩むこと
になった。
ブラジルはブッシュ政権の政策に強烈な一撃をお見舞いしたが、同国はベネズ
エラと同盟し、あるいは社会運動の活動家たちと連合して、激しい弾劾の嵐を
巻き起こすつもりではなかったのであり、むしろ、もっと保守的なラテンアメ
リカ諸国政権に影響力のある模範を示したのだとする論調には根拠がある。
ルラ・ダ・シルヴァは外交儀礼を気にかける質だが、米州自由貿易圏交渉では、
貿易促進派の姿勢を見せた。つまりアメリカの通商官僚たちに、君たちこそ市
場を開放しなければならないと迫ったのである。アメリカが「自由」貿易を支持
すると言っても、いつも総論に過ぎず、行動が伴わない――自国の農民のため
に、年間190億ドルの助成制度を維持しているのである。
急進的な政権を自認していなくても、 ラテンアメリカ諸国が自国のために立 ち
上がり、国益を守る意志を固めている状況で、アメリカがいつまでも「私の 言
いなりになれ」方式の猫だましに固執しているようであれば、交渉の前途は 暗
いままだろう。
失敗続きの新自由主義を疑う声が強くなっている。アメリカの要求に諸国政府
が昔のようには媚びへつらわなくなっている。貿易交渉の席でアメリカが非協
力的な姿勢を続けている。結局、すべての状況があいまって、実のある米州自
由貿易圏交渉が元の軌道に戻るのを妨げているようだ。それでも、ブッシュの
通商チームは別の抜け道を探している。例えば、より貧しい諸国を相手に一対
一の二国間協定を交渉し、あくまでも自分の政策を押し通そうとしているが、
これは阻止する方法がない。
だが、大企業本位のグローバル化だけが最良あるいは唯一の可能な未来である
と決して信じたことのなかった人びとにとって、またチアパスに続いてモンテ
レイで「ヤ・バスタ! 」、もう、たくさんだと叫んだ人びとにとって、これは
グッドニュースになるだろう。
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[筆者] マーク・エングラーは、ニューヨーク在住の作家、フォーリン・ポリ
シー・イン・フォーカス(焦点の対外政策)、グローバル・ビート(地球の鼓動)
シ ンジケート寄稿者。主宰サイト―デモクラシー・アップライジング:
http://www.DemocracyUprising.com.
[取材協力] ジェイソン・ロー
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[原文] Bush's Uneasy Mexican Visita by Mark Engler
Published: Jan 16 2004 at TomPaine.com:
http://www.tompaine.com/feature2.cfm/ID/9786
Copyright (C) 2004 Mark Engler TUP配信許諾済み
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翻訳 井上 利男 / TUP
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[付録] サパティスタ民族解放軍の言葉のごくごく一部を抄録します。
(出所サイト『メキシコ先住民族運動連帯関西グループ』
http://homepage2.nifty.com/Zapatista-Kansai/index.htm#CONTENTS )
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『ようこそ、真の言葉の出会う密林へ――サパティスタとは何か』
「サパティスモは新しい政治イデオロギーでも、古いイデオロギーの焼き直し
でもありません。サパティスモとはそのようなものではなく、そもそも存在し
ているものではありません。それはこちらから向こうへ渡るための橋として機
能するものです。それゆえ、サパティスモには、こちらから向こうに渡ろうと
しているすべてのものが含まれているのです。それぞれの人は独自のこちら側
と向こう側をもっています。だから、誰にでも通用する処方箋、路線、戦略、
戦術、法則、規則、スローガンといったものは存在しません。よりよい世界、
つまり新しい世界を築き上げるという心からの思いだけが存在しているのです。
サパティスモは誰の持ち物でもありません。つまり、すべての人のものなので
す」――よりよい世界を築こうとする心があるなら、あなたもサパティスタで
す。
[全文] http://homepage2.nifty.com/Zapatista-Kansai/INTRO.htm
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『大地は我々のものである。商品と見なす者のものではない』−ダビ司令官 カ
ンクンでの世界貿易機関閣僚会議反対集会でのメッセージ 2003年9月
我々が耕作している土地は我々のものである。銀行の持ち物ではないし、肥料
や殺虫剤を売りつけたり、遺伝子組み換え作物を推進している連中のものでも
ない。土地を商品と考え、売買し、破壊し、殺している連中のものではない。
土地は、我々、農民や先住民のものである。我々は土地を自分たちの手に収め、
土地について何も知らず大地の色も知らない一握りの怠け者のためではなく、
皆のために生産すべきである。
抵抗に合流しよう。死のグローバル化による破壊に晒され、脅威を受けている
世界のすべての貧しい人民の抵抗を支援していこう。抵抗しよう!人類のため
に!新自由主義に反対しよう! 民主主義を!自由を!正義を!
[全文] http://homepage2.nifty.com/Zapatista-Kansai/EZLN0309102.htm
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TUP速報
萩谷 良 hagitani ryo
電子メール: TUP-Bulletin-owner@e...
TUP速報の申し込みは: http://www.egroups.co.jp/group/TUP-Bulletin
*問い合わせが膨大な数になっています。ご返事が書けない場合がありますので、
ご容赦ください。
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