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投稿者: Schu Sugawara <schu@i...> Date: 2003年11月19日(水) 午前3時18分
タイトル: TUP速報217号 兵士たちよ、人間らしさを手放すな 03年11月19日
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イラクでの米兵の死者数が、すでにベトナム戦争の最初の3年間の死者数を
上回りました。 ますます泥沼化が進んでいるようです。
自衛隊を派遣すれば、まっさきに攻撃にあうといわれています。というのは
米兵を10人殺すよりも、自衛隊員を10人殺す方が、世界的に話題になるか
らだそうです。
ベトナム戦争で戦った退役軍人スタン・ゴフが、イラクに駐留する兵士たち
に向けて、公開書簡を書きました。
派遣が予定されている自衛隊員の方々にも、読んでほしいメッセージだと思
います。
(パンタ笛吹/TUP)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
兵士たちよ、人間らしさを手放すな
・・・・・・・・・・・・・・・・・
スタン・ゴフ
11月15日
親愛なるイラク駐留の兵士たちへ
わたしは退役軍人だ。わたしの息子は空挺部隊員として、諸君とともにイラ
クに駐留している。
諸君一人ひとりが、イラクでさまざまな変化を経験していることが、わたし
にはよくわかる。だからこの手紙では、兵士仲間のことばで、率直に意見を述
べよう。
1970年、わたしは空挺部隊員としてベトナム戦争に派遣された。戦争に
行く前までのわたしは、まわりから、でたらめな思想を植え付けられていた。
テレビや映画からは、「男の中の男として生きるには何をなすべきか」を教
わったし、ベトナムに一度も行ったことのない近所の人々からは、「ベトナム
が共産化しないよう、米軍が戦わなくてはいけない」と教え込まれた。
われわれ米兵の使命は、「悪いベトナム人から、良いベトナム人を救う」こ
とであり、「悪いベトナム人が、カリフォルニア沿岸に攻め込まないよう」に
彼らを叩きのめすことだった。
そのためにわれわれは駐留し続け、5万8000人の仲間が殺され、300
万人のベトナム人を殺してしまった。
イラクの大量破壊兵器が米国を脅しているという話を最初に聞いたとき、
「そんなことはありえない、湾岸戦争でさんざんに痛めつけられた後、12年
間も経済制裁を受けているイラクが脅威だなんて、いったいどこの誰が信じる
ものか」と、あきれたものだ。
しかし30数年前、ベトナムがアメリカの脅威になっていると、自分も含め
て、ほとんどの米国民が信じ込んでいたのを思い出した。
大量破壊兵器のウソをでっちあげた政治家たちは、諸君が「偉大な解放者」
として、イラクの民衆に歓迎されるだろうとウソをついた。
政治家はベトナム戦争でも同じようなことを言ったものだ。ベトナムに民主
主義を根付かせるのが、われわれ米兵の役目だとね。
わたしがベトナムに到着する前に、米軍はすでに村々を焼き、家畜を殺し、
畑や森に毒をまき、市民をスポーツ射撃の的とし、村人をレイプして虐殺して
いた。
ベトナム人被害者たちにとっては、現地に到着したばかりの自分と、すでに
蛮行をふるっていた残虐な米兵たちとの見分けがつかない。政治家たちは、そ
んなことを何も言ってくれなかったから、現地でわたしは、たいへんな目にあ
った。
政治家たちが諸君に知らせなかったことが他にもある。
1991年から2003年の間に、150万人のイラク人が、栄養失調や医療
不備のせいで死んだことも、諸君は知らされていなかった。その中でも、か弱
い幼児の死者数は、50万人にものぼった。
いまイラクに駐留しているわたしの息子には、生後11ヶ月の赤ちゃんがい
る。とてもかわいい赤ちゃんで、わたしは孫の顔を見るのが楽しみだ。
同じように、諸君にも息子や娘がいるだろう。自分の子供を何よりも愛する
ことについては、諸君もイラク人も変わりがないことに気がついただろうか?
自分たちの息子や娘を亡くしたイラク人たちは、50万人の幼児が死んだ原
因が、アメリカ政府にあるということを、かんたんには忘れないだろう。
だから、諸君がイラクで歓迎されるだろうというのは、あからさまなウソだ
った。それは米国民に戦争を支持させるためのウソだったし、諸君の戦闘意欲
を高めるためのウソだったんだ。
もし自分がイラク人の立場だったら、と考えたことがあるかな? 自分たち
の町が米軍に占領されたとしたら、米兵を歓迎する気にはなれないだろう。
われわれはベトナムでも、厳しい現実に直面していた。わたしは、もし自分
がベトナム人だったら、「絶対にベトコンになって、米軍と戦っただろう」と
いうことに気がついていた。
ベトナムでもイラクでも、自分たちの家族を無惨に殺され、財産を破壊され
威信を傷つけられた人々が、侵略者を追い出そうとするのは当たり前だ。
米兵は、生きのびるために、自分たちに立ち向かってくる連中を殺さなくて
はならない。
こんな状況を作りだしたのは、ワシントンにいながら、高級ワインとキャビ
アを楽しんでいる、5千ドルの背広を着た政治家たちなのだ。
でも、われわれは、ワシントンにいる愛想のいい石油成金たちを、どうして
止めたらいいのかまだわからないでいる。ということは、諸君は当分の間は、
イラクに立ち往生するというわけだ。
わたしの経験からいうと、自分がベトナムで生きのびようと思ったら、残酷
にふるまうしかないと考えるようになった。気が狂ったように家々に火をつけ
ベトナム人に向かって見境なしに銃をぶっ放せばいいんだとね。
「怒り」が役に立つと思った。信用できないヤツらをみんな憎んで、怒りを
ぶちまければ、内側にある恐怖心を覆い隠せると考えたんだ。
また、心の中にある罪悪感をなだめるために、やつらは人間なんかじゃない
と思いこみ、彼らをグークス(ベトナム人に対する蔑称)と呼んだ。ちょうど
諸君がイラク人たちを「ボロ切れ頭」とか、ハージ(イラク人に対する蔑称)
と呼んでいるようにね。
昔のアメリカ白人が、黒人をリンチにかける前に、ニガー(黒んぼ)と呼ん
だのと同じことだ。彼らを蔑称で呼ぶことで、人間性を剥奪したわけだ。
敵の「人間性」さえ剥奪すれば、泣いてるイラク人の赤ちゃんにだって、銃
を向けることができる。でもそれは、自分の人間らしさを殺すことでもあり、
そのことに気がついたときには、もう遅すぎるのだ。
自分の人間らしさを失って戦場で生きのびても、母国に帰ってからがまた苦
しい。人間らしく生きられないのだ。
わたしの戦友たちは酒やドラッグにおぼれたり、精神病院に閉じこめられた
りしている。また、自殺したり、家族や他人を傷つけたりする者もいる。
わたし自身、いまでも毎日を憤怒の中で生きている。他人にはそう見えなく
ても、怒りの発作は毎日わたしを襲っているのだ。
だからわたしは、諸君に言いたい。
諸君は生きのびるために、やるべきことはやる。しかし、どうか人間らしさを
手放さないでほしい。他の粗野な兵士のように、男らしくなくてもいい。怒り
と興奮にまかせて、めちゃくちゃな蛮行はしないでほしい。
ブッシュやチェイニーの強欲のために、諸君の人間らしさを犠牲にしないで
ほしいのだ。
米国の大富豪たちは、世界中のエネルギー資源を独り占めにして、世界の商
売がたきをとっちめようとしている。それがこのイラク戦争の本当の意味だ。
メディアは諸君がヒーローだと持ちあげるけど、政治家は諸君を、銃を持っ
た消耗品として利用したいだけなのだ。
政治家たちは、諸君が吸い込む劣化ウラン弾に汚染された空気や、諸君の身
心の痛みや、夜ごとうなされる悪夢のことなど、気にしてはいない。
政治家は諸君の福利厚生予算を減らし、原因不明の病気の存在を否定し、負
傷兵や戦死者の姿をメディアから隠している。彼らこそ諸君の敵であり、平和
の敵なのだ。
腹黒い大富豪や政治家は、泥棒と同じだ。彼らは「イラクから絶対に逃げ出
さない」と息巻いているが、彼らはイラクにいるわけでもないので、逃げ出す
必要もないではないか。
彼らは諸君から搾れるだけのものを搾り取って、利用価値がなくなれば、使
い古したコンドームのように捨てるだけだ。だから、もし諸君の怒りが、それ
を発散させる相手を必要としているのなら、それを罪のないイラク人に向けな
いで、そういう状況を生みだした政治家たちに向けるといい。
わたしは諸君に、「命令に従うな」とは言えない。もしわたしがそう言えば
たぶんそれは、違法行為になるだろう。
しかし、法に違反した命令に従わないという行為は、完璧に合法だ。そして
「イラク市民を攻撃せよ」との命令は、違法なのだ。
諸君は、どんな状況にあろうとも、イラク人を憎む義務はない。また、どん
な状況にあろうとも、自分の人間らしさを手放して荒れ狂う義務もないんだ。
どうか、五体無事で帰ってきてほしい。
どうか、正気のまま、帰ってきてほしい。
あなたを心から愛している人々が、ここで待っているのだから。
そしてあなたが帰ってきたとき、愛する人の顔を真正面から見られる人間で
あってほしい。
どうか、あなたの魂を、砂漠の砂の中に捨てないでおくれ。
どうか、人間らしさを手放さないでおくれ。
(翻訳・パンタ笛吹/TUPチーム)
http://www.bringthemhomenow.org/what/latest.html#openletter031115
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TUP速報
菅原 秀 Schu Sugawara
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